苗の姿 |
まずは、下手な絵で苗の各部名称解説です。
栽培については地域の気候、土壌にあった栽培方法があるこ
とからここでは、新潟県西蒲原郡黒埼町の野菜部会作成の栽
培指針に準拠した形で紹介します。(現在は新潟市黒埼地区)
我が家の栽培日記 '97 |
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早生品種の中心は「グリーン75」です。一般的には極早生品種に
分類されているものですが、約90日くらいで収穫できるとされて
います。大莢で白毛品種、食味は良好の部類とされています。
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生育段階 | 播 種 | 発 芽 | 子葉展開 | 初生葉展開 | 定 植 |
日中温度 | 30〜25 | 25〜23 | 23〜22 | 22度位 | |
夜間温度 | 15 | 15〜13 | 13〜12 | 12〜10 | |
地温 | 25 | 25 | 〜20 | 〜17 | 〜15 |
【栽培日誌】
97年の栽培について 春先の畝作りの時期は、長雨でなかなか晴れが続かず、苦労した。 定植時期は割合と天候に恵まれ、畝は適度な湿り気もあり、定植 後の水分補給にも、あまり手間がかからなかった。 6月、開花期に思わぬ2つの台風におそわれ、着莢が悪かった。 畑によっては水没するところもあり、雨と風の影響が、収穫時期 にきて目立っている。 通常なら30間一畝で40キロの枝豆を収穫できるところ。今年は 25キロ程度。 7月19日の梅雨明けから雨が少なく、畑はカラカラ。8月に入れ ば、収穫最盛期と期待したが、乾燥のため、実入りが遅く、収穫も 遅れている。畑に水を入れたいが、枝豆も体力が落ちているので、 水をやることでかえって、木を弱らせはしないかと懸念される。 (以上97.8.1現在) 収穫時期に入り収量の減少がはっきりした。例年の6割といった 水準が一般的のようです。 |
月日 | 作 業 種 目 | 作業カレンダー |
3/20 | 早稲品種グリーン75の播種 | ハウスで保温,急な日照で焼けないように管理に注意 |
3/26 | 順次発芽開始 | 緑化させるため日除けをとる |
3/28 | 2回目G75播種 | 収穫時期が集中しないよう分散して播種 |
4/3 | 1回目チャマメ播種 | 収穫時期が集中しないよう分散して播種 |
4/5 | G75の定植が始まる | 霜除け被覆とトンネルによる保温 |
4/23 | 茶豆の定植が始まる | 霜除け被覆とトンネルによる保温 |
4/25 | 茶豆定植続き | 霜除け被覆による保温のみ |
4/28 | 茶豆定植続き | 被覆なし、気温20度 |
5/16 | 早生G75トンネル除去 | 気温25度,生育が進み天井に当たっているし、暑さも あってトンネル除去 |
6/15 | 全部の圃場防除 | えだまめの虫害防止の殺虫剤の散布,今年は割合病害虫が少ない |
6/19 | 順次定植してきた茶豆も終了へ | 4月以来順番に播種・定植してきた茶豆も終了へ、今 後は晩生品種に |
6/24 | 極早生大莢からグリーン75に | 6月中旬から収穫が始まった 大莢、味は今ひとつでした。これからはg75で、次第にお いしい品種が収穫になります。 |
6/29 | 台風7号による風水害 | 強風にさらされ、一 部木が倒れたり、一部大雨により水没、茶豆にとって開花 期だけに出来が心配 |
6/30 | 箱入り娘定植 | 茶豆の次に収穫予定品種「箱入り娘」の 定植始まる |
7/1 | チャマメの殺菌剤防除 | 台風の影響が懸念されるため、殺菌剤を散布 |
7/18 | 極早生チャマメの収穫開始 | 大雪みどりより香が高く、やはりうまい |
7/26 | チャマメ収穫予定 | いわゆる「チャマメ」の出荷が予定される |
8/26 | チャマメ収穫完了 | いわゆる「チャマメ」の収穫完了 |
9/4 | チャマメ種取り | 「チャマメ」種用枝を畑から収穫、日陰干し |
早生枝豆の栽培 |
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早生えだまめの育苗は4月初旬、ハウスの中で育
苗が始まります。発芽をそろえるため、ほとんどが温床育
苗です。播種後4日くらいで発芽し、べたがけした有孔ポ
リを取り除きます。このタイミングを失敗すると苗の生育
がうまくいきません。育苗中のかん水は控えめにしてしっ
かりした苗に育てます。軟弱な徒長した苗は、定植後の発
育がうまくありません。 育苗期間中に、畑の準備をし ます。えだまめは根に根粒菌をもち、空中窒素を固定する ため、あまり窒素分を必要としません。が、早生枝豆の安 定多収のためには、根粒菌に頼らず必要量の肥料で養う栽 培法がよいようです。茎径の太さと莢の大きさには相関が 高いことから、太い茎をつくるべく、定植から収穫まで肥 料用分が持続することが望ましい。 このため良質堆肥 の多投で知力の向上を図っています。 育苗日数20日
くらいまでの若苗(初生葉の展開後期)を定植します。 定植は育苗日数で判断せず、苗の姿で判断することが大 切のようです。 定植は4月下旬頃で、外気はまだまだ 冷たい時期なので、畝の上にはべたがけ資材をかけたり、 さらにトンネルをします。植え付けは午前中に終了し午後 からは苗の体力回復にあてる。 苗が成長し開花が終了
した段階で1回目の追肥で莢の肥大をねらいます。 収穫は7月中下旬。なによりも鮮度が第一で すので莢が鮮やかな緑のうちに収穫します。朝取りをし、 鮮度保持のためJAで予冷出荷をします。 |
黒埼茶豆の栽培 |
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黒埼茶豆は黒埼町在来の中性種です。播種後100日く
らいで収穫ができます。 やや大莢で、淡い褐色の莢、 マメをしています。独特の甘い香りと強い甘みが特長です。 播種は4月初旬から上記の要領で苗を作ります。黒埼 町特産でもあり栽培面積が大きいこともあって、農家では収 穫期間を長くするため、5月上旬くらいまで順次苗を作り ます。 早い物はトンネル栽培、次にマルチ栽培、畝に草 が生えるのを嫌うことから、露地栽培はあまり行いません。 主茎がのびやすいので、培土による不定根の発根を促
し、倒伏の防止と梅雨期の多湿な条件から根部を守ること
が必要です。また細根を断絶し、主茎の伸長を促すことを
目的に培土、土寄せを2回行います。 |
1 病原菌 (糸状菌)
2 被害の様子
発芽直後から収穫期まで発生する。発病部位は葉、茎、莢、子実である。子葉や胚軸では、赤褐色雲紋状の斑点が現れる。葉では、中肋や支脈に沿って紫褐色の小斑点ができる。茎、葉柄には紡錘形に近い病斑を生じ、茎を取り巻くように発達する。莢の病斑は最初円形または不正形、直径2mm程度の紫褐色〜紫黒色の斑点で、莢が黄化する頃から急速に拡大する。種子にはへそを中心に紫色の斑紋を生じ、著しい場合には種皮全体が黒紫色になって亀裂が発生する。
3 病原菌の生態
菌糸が種子に寄生して、あるいは罹病葉上で越冬する。翌春ダイズに発芽とともに子葉を侵し、子葉の病斑上には多数の分生胞子を形成し、これが第二次伝染源となる。子葉は落葉しても長期間伝染能を持つ。分生胞子は無色、長い鞭状(38〜450×1.3〜6.0μm)で多数の隔膜を持つ。発芽期〜第1複葉期の感染・発病が多く、盛夏の頃は一時発病が中断するが、9月になると下位葉に再び病斑が現れるようになり、さらに子実へと伝染する。寄主はダイズの他にインゲン、アズキ、野生ダイズがあり、相互伝染源となる。
4 発生しやすい条件
降雨により発病が助長される。子実発病は収穫適期5日前からの降雨の影響が大きい、結実期頃の気温が18℃内外で降雨が多いと発生多い、成熟期前10日間の気温が15〜24℃の場合に多くなるなどの報告がある。収穫が遅れると子実発病が多くなる。収穫後の乾燥がゆっくりだと紫斑粒が多くなる。湿潤土壌では発生が多い傾向にある。
5 防除対策
抵抗性の強い品種を用いる。健全種子を選び、種子消毒する。発病の多いほ場ではダイズを連作しない。開花期後15〜50日頃までに薬剤散布して、莢の感染を防ぐ(莢での発生が多ければ紫斑粒も多くなる)。被害茎葉や莢は伝染源とならないよう処分する。
コガネムシ類
大豆を加害するコガネムシ類は、多数知られているが、そのうち主な種類は、ヒメコガネ、マメコガネ及びドウガネブイブイである。他にセマダラコガネやアカビロードコガネなども加害することが知られている。
1 形態
(1)ヒメコガネ
成虫の体長13〜16mm位の楕円形で、金属光沢の緑色、青色、銅赤色など変異に富んでいる。卵は2mm程度の楕円形で乳白色から淡黄色へ変化する。幼虫は老熟すると体長30mm程度 で、腹部は淡黄白色、頭部は黄褐色をしている。
(2)マメコガネ
成虫の体長9〜13mm位のやや丸い菱形状で、金属光沢の緑黒色で変異はあまりない。
(3)ドウガネブイブイ
成虫の体長20mm位の楕円形で、金属光沢の銅赤色の個体が多いが個体変異富んでいる。幼虫は老熟すると体長35mm、頭部は黄褐色、腹部は乳白色でカブトムシの幼虫によく似ている。
2 生態
多くのコガネムシは成虫は野菜や果樹の葉を食害し、幼虫はイモや野菜などの根を加害するものが多い。ほとんどのコガネムシ類は年1世代で、越冬は2〜3齢幼虫で行い、6月頃土中で蛹化し6月下旬頃から成虫が出現する。成虫は一般的に食性が広く、ダイズだけでなく、各種野菜類も好んで加害する。また、ゴルフ場でも芝の根を加害する害虫として、難防除害虫となっている。
3 被害
コガネムシ類の成虫が飛来してダイズの葉を食害する。コガネムシの種類によって飛来時期が違うので防除が難しくなっている。葉脈を残すように食害するため、コガネムシ類の被害であることはわかるが、成虫がいないと種の特定は難しい。主な食害時期は7月から8月で茎葉の被害はハスモンヨトウに次いで大きく、食害量が多いと稔実が悪くなる。
4 防除
成虫の飛来時期に薬剤散布する以外有効な方法はない。成虫に対する登録薬剤はマラソン乳剤だけであるが、エルサン乳剤、カルホス乳剤、トレボン乳剤などを使用してハスモンヨトウなどと同時防除を実施する。
カメムシ類
本県の大豆に加害するカメムシ類は、多数知られているが、そのうち子実を加害する主な種類は、イチモンジカメムシ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシ、ミナミアオカメムシ、ブチヒゲカメムシである。他にもクサギカメムシ、チャバネアオカメムシや茎に加害するマルカメムシなど非常に種類が多い。
1 形態
(1)イチモンジカメムシ
成虫の体長9〜11mm位でやや細長い楕円形状、全体は淡黄緑色で前胸背部に紅色(雌)または白色(雄)の横帯がある。
(2)アオクサカメムシ
成虫の体長は12〜16mmで細長く、やや細長い6角形状で扁平で基本型は全体が緑色であまり光沢がない。他に黄体型、無紋黄色型、緑紋型があるが、多くは基本型である。
(3)ホソヘリカメムシ
成虫の体長は14〜17mm前後で、極めて細長く扁平でない。体色は暗褐色で背面は褐色微毛に覆われている。
2 生態
多くのカメムシは単一植物を加害することはなく、年数世代繰り返す中で、寄主を変えて行くことが多く、ダイズを加害するカメムシ類は、マメ科雑草を主な寄主とするものが多いが、ナス科やイネ科雑草などを一時的に寄生する生活していることが多い。越冬は落葉や灌木の中で行うものが多く、春にマメ科雑草(カラスノエンドウなど)の花が咲く頃から活動を開始する。
3 被害
子実の被害は発育中の莢の中に口針を刺して吸汁することが原因であり、生育初期であると子実はほとんど肥大しない。肥大中期以降に加害受けると子実が変形や変色するため、商品性は著しく低下する。1頭が加害する子実量は、カメムシの種類によって異なり、一般的にアオクサカメムシやイチモンジカメムシは、ホソヘリカメムシより多い。被害は越冬場所や野生の寄生種から近いところほど多く、夏期の高温乾燥が続いた年は多い傾向にある。
4 防除
・周辺の除草は飛び込み量が減少するので有効である。
・開花時期の遅い品種は一般的に被害が少ない。
・莢伸長初期から子実肥大終期にかけて、5の薬剤の中から安全使用基準を厳守して7〜10日間隔で散布する。
5 本県の発生状況
山沿いの地域や休耕田の多い地域で多発する傾向があるが、夏期が高温で好天が続くような年の発生が多い。
シロイチモジマダラメイガ
1 形態
成虫は体長約8mm、開張約20mmの灰色の小型の蛾で、前翅前縁は白色、内横線は隆起した橙褐色の鱗粉があり、その外側に黄色帯がある。卵は長径が0.8mmくらいの楕円形で、乳白色を呈している。幼虫は中齢以降になると頭部が黒色で、腹部は白色であるが、老熟すると全体的に青緑色から暗褐色を呈しており、ややずんぐりした幼虫で背線ははっきりしている。
2 生態
年4世代と考えられているが、マメ科植物の子実のみを食害する。ダイズに被害を与えるのは第3世代幼虫及び第4世代幼虫で、第1世代及び第2世代幼虫は他のマメ科作物やマメ科雑草の子実を摂食する。産卵は葉柄から莢にかけて点在するように行われ、孵化した幼虫は莢に達してから食入し、子実を食害する。糞は莢の中に残り、莢の外には排出されない。老熟すると莢から外にでてから浅い土中で土を使い繭を作って蛹化する。
3 被害
食入した莢には糸で作った小さな蒲鉾型のトンネルをつくる。侵入するときの小さな穴があいており、中で虫糞を外に排出せずに子実のみを食害し、子実が小さいと脱出して他の莢へ移動して食害するため、被害が大きくなる。子実害虫の中でも被害の大きな害虫である。
4 防除
晩生種ほど被害が少なく、遅蒔きも被害が少なくなる。産卵時期と着莢の時期のタイミングと他の食餌植物との関係で早蒔きしても被害が少なくなることもある。産卵時期に夏期薬剤の中から2回程度薬剤散布する。
5 本県の発生状況
子実害虫の中でもっとも被害の大きな害虫である。
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