4.枝豆の栄養・薬効
|ル ー ツ| |茶豆とは| |生産消費| |栄 養 価| |栽培方法| |そ の 他| |自己紹介| |リ ン ク| |産 直|

最初に戻る

【1】 食品成分表
【2】 漢方として
【3】 おつまみの科学


 枝豆は大豆の青春時代

  
えだまめは大豆の青春時代を収穫して食べるので、大豆と比べると栄 養面では蓄積途中。しかし、それでも十分な栄養価。マメの仲間の 中でも、あずき、いんげんは、でんぷんを多く含み、大豆(えだまめ)、 落花生は蛋白質と脂肪を多く含みます。
しかもその蛋白質が動物性と比較しても遜色のないもの(アミノ酸価) になっており、さらにその脂肪は良質の不飽和脂肪酸(リノール酸) なる物質が多く含まれているそうで、そんなところもあって「畑の肉」 の異名を持つようになったのでしょう。

蛋白質は元々皮膚や脂肪、血液などの成分となり、脂肪は体内に蓄積 されて熱やエネルギーのもとになります。また、大豆に含まれている リン脂質:(レシチン)は、細胞質は細胞膜 を構成する要素、人体の1%はレシチンで出来ていると言われていま す。特に脳や神経などの重要な細胞膜の中に多く含まれていて、最近は 健康補助食としても注目を集めているレシチンです。
このレシチン は1986年日本でラットを使った実験で”コレステロールの除去効果” が実証されています。また、イソフラボンという物質が骨粗しょう症の 予防、更年期症状の改善などに、サボニンという物質が血流の改善、疲 労回復などに効果があるといいます。

えだまめにはカルシウムやビタミンB1、B2、さらに大豆にはない ビタミンCも多く含まれています。100グラムあたり30ミリグラ ムという含有量は、春菊の1.5倍、ほうれん草の半分にもなります。

枝豆に限らず、作物全般にいえることですが、栄養の面からだけで言えば、夕 方収穫したものを、晩の食卓にのせることが望ましいことになります。植物は 日中光合成により養分を体内に蓄積します。夜間はその栄養を消費するわけで すから、植物の栄養価は夕方が、朝より高いわけです。

 人に必要な栄養の目安

人は欠かせない栄養素必要量の目安は、以下の通りです。 【1日に必要な栄養要素】

栄養素名 必 要 量 主な働き
タンパク質(g) 男70
女60
筋肉、骨、血液の元となる。不足すると体力の低下、脂肪肝、肌荒れを引き起こす
カルシウム(mg) 男女
600
骨や歯を作り、神経の伝達機能を促しホルモンの分泌を助ける。欠乏するといらいらを起こす。
鉄(mg) 男10
女12
貧血を予防し、疲労を防止する
食物繊維(mg) 男女
20
便秘や肥満を防ぐ。大腸ガン、糖尿病、動脈硬化を予防する
ビタミンA効力(iu) 男2000
女1800
粘膜を丈夫にし、皮膚の新陳代謝を促す。不足すると皮膚がかさつき、風邪を引きやすくする
ビタミンB1(mg) 男0.9
女0.7
糖質の代謝を助け、消化を促進する。脳、神経、筋肉の働きを正常に保つ
ビタミンB2(mg) 男1.2
女1.0
皮膚の粘膜を保護し、目の疲れをとる。欠乏すると、口内、舌、唇等の炎症を起こす
ビタミンC(mg) 男女
50
風邪を予防しストレスを和らげる。不足すると肌がかさつく
ビタミンE 男8
女7
細胞の老化を防ぎ疲労を和らげる

ページの最初に戻る

 食品成分表


成分
100


















417
kcal
12.5 35.3 19.0 23.7 240 580 9.4 1 12 0.83 .3 0


144
kcal
69.8 11.5 6.6 8.5 90 170 1.7 1 110 0.32 .16 30

茶豆はその中でもうまみ成分が、、

 チャマメはえだまめの中でもその甘味、風味のよさで人気の品種。 新潟県は加茂市にある食品研究所で昭和63年に調べた成分分析で もその裏付けがされています。その甘さについてのデータを紹介し ます。

糖類の中のフルクトース、サクロース、マルトースなどが、いず れも他品種に比べ含有量が多くなっています。

 数年前の中国はグアンチューリンというところで「大豆利用技術 国際会議」が開催された際に、アメリカの教授が日本のえだまめ食 を宣伝。アメリカでは大豆をえだまめとして食べる習慣はなく、ベ ジタリアンが増える中で栄養学的なメリットを報告したそうです。

 何かで読んだメモで恐縮ですが、「ネオミノファーゲンC」とい う物質がエイズ保菌者に対して有効だとの報告があり、この物質が えだまめに多く含まれているサポニンBによく似ているとか、えだ まめの中に含まれているトリプシンインヒビターが十二指腸を刺激 して、ある種のホルモン分泌を促すとか、膵臓を刺激して消化酵素 を出すとかが薬効としてあります。
2003年7月9日の農業新聞の記事では、岐阜大医学部の永田教授の研究を 紹介。大豆をたくさん食べている女性の更年期障害(のぼせやほてり、めまい)は そうでない人の半分くらいといいます。一日当たり50gのイソフラボン という物質の摂取が大切といいます。えだまめでしたら250g/日だそうです。

────────────────────────
ページの最初に戻る 

 漢方としてのえだまめ 

 えだまめ(大豆)に共通して言えるのが、胃の内容物を腸の方へ 下げる作用です。適量を常食することで便通をよくする効果が得ら れます。

黒大豆はそのほかに解毒作用や強壮作用があり、腎臓の働きを高 めたり、足腰を丈夫にしたりの薬効を期待し、古くから利用された と言います。

 古くから夏かぜに利用されました。生のえだまめを鞘から出して コップに半分用意します。これを小さな鍋に入れ、カップ一杯の水 を入れ火をかけます。水が半分くらいになるまで煮詰めます。暖か い内に砂糖か蜂蜜を入れ味を付けます。一日2回くらいの服用で熱 冷ましの効果があります。

 このほか、食中毒、腎炎、乳汁不足、除湿(体内の余分な水分を 排出)、喉乾きを押さえる作用などがあります。

えだまめや大豆類(味噌、醤油)と、ごはんとの食べあわせはとて も大切なことです。
蛋白質を構成する20種類のアミノ酸のうち8種類は人体に不可 欠のアミノ酸ということで、必須アミノ酸といいます。 この8つの内大豆に不足なのが含硫アミノ酸(メチオニン)と 中性アミノ酸(スレオニン)です。ところが米にはこの含硫アミノ 酸が豊富。日本型食生活はこの点から考えれば理にかなったものな んですね。  

タンパク質のアミノ酸価

数値の大きい物が良質
牛乳 牛肉 豚ヒレ 小麦 馬鈴薯 大豆
95 100 100 100 100 68 38 64 74
────────────────────────
ページの最初に戻る

 枝豆 「おつまみ」の科学 

96.07.21
 人生は、野越え、山越えの長い長い旅みたいなものです。 どうせ長旅なら、風景に感動したり、おいしい料理を食べたりして、 楽しんだ方がよいに決まっています。

 時には、病気になり、一服して寝込むようなこともあるでしょう。 焦る必要はありません。早く回復して、元気になって、また歩き始 めればよいのです。人生の“旅仲間”は、みんなで待っています。

 元気で、より遠くまで、人生の旅を楽しむためには、健康と若さが 欠かせません。 健康や若さを保つのは、食べものなのです。

 そこで、人生旅行の“おつまみ”にお勧めしたいのが、今が旬真っ 盛りの枝豆。まだ、完熟していない、青い大豆を枝つきのまま刈り取 ったもので、大豆はもちろん豆類ですが、枝豆は、分類の上からは野 菜に入ります。

 エダマメの語源は「枝成り豆」で、すでに奈良時代にはゆでた枝豆 が、涼しさを呼ぶ夏の風味として楽しまれていました。  枝豆は、大豆の子どもですから、たんぱく質が多いのは当然として も、親よりも偉いのは、親にはほとんど無いビタミンAやカロチン、 ビタミンCをたっぷり含んでいるという点でしょう。

 がんや風邪などの予防作用で知られているビタミンCや、これまた がん予防効果のビタミンA、そして、老化防止のカロチンなどの成分 は、野菜に多いものであり、枝豆を食べるということは、「大豆」と「野菜」 を一緒にちょうだいするようなものです。

 夏のビールのおつまみというと、何といっても、よく冷やした枝豆 が定番。さっぱりしていて、どんなものとも味の相性がよいですし、 コバルトグリーンの色彩がいかにも涼感を呼ぶというのが、大きな理 由ではありますが、それだけではないという点にも、注目してほしい のです。

 実は、二日酔いとか悪酔い防止に役に立つ成分が立派に含まれてい るのです。 枝豆には、アルコールの代謝を促進させるビタミンB1、それに、 肝臓の働きを向上させるうえで役に立つコリンが豊富ですから、悪酔 いや、二日酔いの防止に効果的なわけです。

 B1は、頭の機能とも関係があり、脳の疲れを軽くしたり、記憶力 や集中力を高めるための重要な働きもしているといわれています。  ビタミンB1は、スタミナや疲労の回復にも不可欠で、夏のむし暑 さに苦しむ日本人が、ビールや酒のおつまみに、枝豆を選んだという 背景には、ちゃんとした知恵と、科学的な根拠があったのです。

 コリンはビタミンB群の仲間ですが、こちらにも、頭脳力の向上や 脳の老化防止などの効果があるといわれ、情報化時代のおつまみとし ても見直す価値がありそうです。

 繊維質も生の状態で100グラム中に約10グラムも含まれており、 整腸効果が期待でき、おなかの中を軽くするうえで役に立ちます。カ ルシウムやとり過ぎた塩分を追い出すカリウムも豊富。

 枝豆を塩ゆでにする場合、たっぷりの湯を沸かして枝豆を入れ、 はしでかき混ぜながら強火にしますが、塩をひとつまみ入れると、青 々と色鮮やかにゆで上がります。



 **** hirosi hokari****
----- h-hokari@info-niigata.or.jp ---



みなさんのお便りは........掲示板

ご意見、ご感想は:h-hokari@info-niigata.or.jp">遠慮なくメールを

最初に戻る



 「解説」
*********************************************************
  *以下の解説は友人「竹野敏彦」さんの協力によるものです。 *
*********************************************************

 精製大豆レシチン purifiedsoybeanlecithin
  【適応】 高脂質血症
 【作用】 薬効薬理:経口投与でコレステロール又はラノリン
負荷家兎で血清総脂質値,血 清総コレステロール値,
リポタンパクβ/α比等の上昇を抑制