21世紀は、世界的な食料不足の時代になるのではないかとの予測や警告が多くの識者から出されており、各国が食料自給率の向上に努力しています。
特にヨーロッパの国々は近年国内生産力の向上に努め、実績をあげているのと対照的なのが日本といえます。
白書は「食料の自給と安定供給の確保」について次のように整理しています。
@ 食料自給率は食料の需要面、供給面の両面の要因から長期的に低下傾向をたどり、供給熱量自給率は、平成7年度には42%、穀物自給率は30%。なお、米から畜産物への食料消費の変化等から穀物自給率が低下した我が国や韓国とは対照的に、イギリス、ドイツでは、農用地面積の大きさ、共通農業政策等から穀物自給率は上昇。
A 食料供給に必要な農地面積を試算すると、平成6年度には、約1,700万haで、このうち、海外での作付面積は約1,200万ha。これを国内で確保することは、我が国の土地条件等からみて難しい面がある。
B 食料の安定供給のためには、国内供給を基本としつつ、輸入及び備蓄の適切な組み合わせが必要。この場合、食料自給率の低下傾向に歯止めをかけることを基本に、可能な限り国内生産の維持・拡大に努め、不測の事態にも対応し得る国内での食料供給力を確保しておくことが必要。
先進国はこぞって食糧自給率の維持・向上に向かう中、日本はむしろ低下の一途をたどっています。残念ですがそれが現状です。