94: 「分離発注方式」について
「CM方式」とか「分離発注方式」については、このコーナーで何度か書きました。
同じことを、繰り返してもしょうがありませんので、もしまだでしたら、お手数ですが
このコーナーの、第2回、第3回と、「試してガッテン」の第20回を参照して下さい。
とは言っても、結局は、似たような事を書くかもしれませんが・・・。
まず住宅を建てる時、「設計・施工」の会社に頼むと「分離発注」は出来ません。
ハウスメーカーに頼んでも、「施工」は全てデキデキで決まっているでしょうね。
設計事務所に頼むと言う事になれば、「分離発注」は可能でしょう。
しかし、設計事務所も、「施工会社」とズブズブの所も多いでしょうか?
「CM方式」をやっている設計事務所は、「オープン○○」とか「○○ネット」とか、
グループに加盟しているところもあります。「CM方式」なんていうと、いかにも
新しい方式でそこしか出来ない感じですが、「一括請負」のもっと前は、其々の
職種に別々に発注していた訳ですから、昔ながらの方式と言えるかもしれません。
ですから、別に特殊な方式ではなく、やる気があれば誰でも出来ると思います。
でも、なぜやらないかと言えば、メリットがない(儲からない)からでしょうね。
設計事務所は、「設計」して図面を書いて、というのが仕事でして、
「現場」なんて見てらんないヨ、というのが本音なのではないでしょうか。
もちろん「監理」というのも、建築士の重要な仕事なんですが、
週に1回「現場」に行って、ぱらっと見ておしまい、というのが実態でしょうか。
工務店や大工さんに「一括発注」して「お任せ」という方が、話が早いですからね。
ただ、今までのやり方ではダメなんじゃあないか、という思いがあって、
良識派(?)の建築士は、「分離発注」の方向に行くんだと思います。
しかし、大変過ぎますね。・・・何か「いい方法」はないかと色々考えました。
「分離発注」と「一括」の、中間のような事が出来ないでしょうか?
メインの職種の部分は「一括」ではなく「半括」(?)くらいにしまして、
残りの半分くらいの職種は、自由に「分離発注」する、という方法です。
実は、「Y&Yハウス」という我家を作る時に、挑戦しようと試みました。
ところが、「半括」の部分がうまくいきませんで、タイムアップで断念しました。
で、心ならずも(?)「完全分離発注方式」で建てた、という経緯があります。
建築主としてはよかったのですが、建築士としては苦しい思いをしました。
で、基礎や骨組など躯体の部分は、ある程度施工担当会社にやって貰って、
仕上げや設備機器などは、自由に選んで分離発注するという案です。
全てお任せの「一括」でもなく、メチャ大変な「分離」でもない、その中間の
半分だけ分離発注する、「半分離発注方式」というネーミングはどうでしょうか?
略称は、「CM方式」に対抗して、「よい・安い」の「Y・Y方式」と名付けますか。
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