95: 「ローコスト」について
「ローコスト住宅」とは、本来なら「よくて安くていい住宅」という
「いい意味」のハズなのに、「安造りでダメな住宅」という
「悪い意味」に使われている、と言うのは前の回(63回)でも書きました。
私は別に、「ローコスト(低価格)住宅」の礼賛者ではありません。
「低価格」には「低価格」なりの理由(ワケ)があるでしょうし、
「安けりゃいいのよ」とは思っておりません。「安い」というのは、
どうしても「その程度のレベル」になるというのも・・・承知しています。
私が今回建てた自宅は、坪単価29.7万円というのは、既に書きました。
自分でも「その程度」とも思います。「ホントかなぁ」という疑問もあるでしょう。
ただ、それには実はチョットだけ、数字のトリック(?)があります。
・・・と言って、ウソを付いている訳ではありませんが・・・。
二世帯住宅なので、建坪が約100坪で、ちょっと大きめです。
いわゆるフツーの40〜50坪、ともすれば30坪位の床面積となれば、
自ずと「割高」と言うか、大きい方が当然「割安」になります。
例えば「システムキッチン」が200万、「ユニットバス」で100万円なら、
100坪ですと坪単価3万ですが、30坪だと10万円です。
建坪30坪ですと、坪単価が、すぐに10万や15万高くなる訳です。
単純に、坪単価だけでは比較できない、というのも折り込み済です。
それを承知の上で、今回は「コスト(価格)」について考えてみます。
エ〜と、もの凄く大雑把な言い方になりますが、物の値段はですネ、
原価1/3、手間1/3、儲け1/3、くらいだと思います。大雑把過ぎますか?
それを建築にあてはめると、価格○○万円と謳っている住宅は、
材料単独ですと、メーカー価格は大体、全体の1/3です。
そこに職人さんの手間賃が入って、価格は、2/3になりまして、
それに○○ハウス、××ホームの経費が加わると、3/3になります。
高くても、それだけの価値があれば、消費者は納得すると思います。
ただ、高いなりに「適正」のものと、チョイト「割高」のものがあります。
1つだけ言えるのは、「安く」するには「努力」が必要だという事です。
例えば、新潟あたりで考えてみますと、建坪40〜50坪位で
坪単価40〜50万円というあたりが、一般的な住宅でしょうか。
平均の45坪で45万円ですと、総額おおよそ2000万円位です。
で・・・、坪45万円で売るには、坪30万円くらいで建てていると思います。
また、それくらいでないと○○ハウス、××ホームも経営が成り立ちません。
ですから、「ローコスト」で造っても、○○ハウス、××ホームで建てても
実質の建築費は同じ位だと・・・思います。あとは経費分です。
それでも○○ハウス、××ホームの方がよく見えるとすれば、
驚くべき技術力(テクニック)ですよね。
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