力学的エネルギーと保存力(5)

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保存力(100〜p101:少し戻ります)

 下の図は、質量〔kg〕の物体が、A点からB点まで、高さ〔m〕を異なる経路で下る様子を表しています。
 どちらの経路で移動しても、この間に重力がする仕事は 〔J〕です。




 このように、力がする仕事が途中の経路によらず、はじめと終わりの2点だけで決まるとき、その力を「保存力」といいます。
 重力のほかに、弾性力も保存力です。



保存力と位置エネルギー

 重力やばねの弾性力は保存力です。
 重力なら基準水平面、ばねの弾性力なら自然の長さを基準となる点とします。
 保存力の場合、ある点から基準となる点まで物体が移動する場合、それぞれの力がする仕事が途中の経路によらず、はじめの点の位置だけで決まるので、「位置エネルギー」を定めることができるのです。





 B点の高さを基準水平面とすると、A点からB点まで質量〔kg〕の物体が移動する場合、重力がする仕事は経路によらず〔J〕なので、B点の物体が持つ運動エネルギー(仕事ができる能力)は、〔J〕となります。
 よって、A点で物体が持つ、重力による位置エネルギーは〔J〕となるのです。 




保存力ではない力の例



 上の図のように、物体をA点からB点まで移動させる場合、人が引く力動摩擦力がする仕事は、経路によって異なってきます。(仕事=力×距離 だから)
 よって、これらの力は保存力ではありません



  
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