静止摩擦力(4)

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ここでは、斜面上における静止摩擦力を学びます。


教科書p76 類題12(斜面上における静止摩擦力)

 水平となす角が30°の粗い斜面上に、質量 2.5kgの物体を置き、斜面に沿って上向きに大きさ〔N〕の力で引く。上向きにすべり始める直前のとき、の大きさは何Nか。ただし、物体と斜面との間の静止摩擦係数を 0.40、重力加速度の大きさを 9.8m/sとする。





解答

まず、このホームページの「18 運動方程式の利用」に出てきた「斜面上の物体の運動」のとおり、重力を、斜面に平行な方向と斜面に垂直な方向とに分解します。




重力の大きさは、  =2.5×9.8N

斜面の角度が 30°であることから、重力の斜面に平行な分力の大きさは、


重力の斜面に垂直な分力の大きさは


よって、物体が斜面から受ける垂直抗力



物体を斜面に沿って上向きに引き、上向きにすべり始める
直前の力の図は下のようになります。物体が斜面から受ける静止摩擦力は、斜面に沿って下向きに「これが限界、最大摩擦力」となっているはずです。



ここで、最大摩擦力の式


です。


ここで、斜面に平行な方向における力のつり合いを考えます。

 (上向きの力)=(下向きの力)



問題文中の数値を代入して



答え 
21N



  
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