ここでは、斜面上における静止摩擦力を学びます。
教科書p76 類題12(斜面上における静止摩擦力)
水平となす角が30°の粗い斜面上に、質量 2.5kgの物体を置き、斜面に沿って上向きに大きさ 〔N〕の力で引く。上向きにすべり始める直前のとき、 の大きさは何Nか。ただし、物体と斜面との間の静止摩擦係数を 0.40、重力加速度の大きさを 9.8m/s2とする。

解答
まず、このホームページの「18 運動方程式の利用」に出てきた「斜面上の物体の運動」のとおり、重力を、斜面に平行な方向と斜面に垂直な方向とに分解します。

重力の大きさは、 =2.5×9.8N
斜面の角度が 30°であることから、重力の斜面に平行な分力の大きさは、

重力の斜面に垂直な分力の大きさは

よって、物体が斜面から受ける垂直抗力 も

物体を斜面に沿って上向きに引き、上向きにすべり始める直前の力の図は下のようになります。物体が斜面から受ける静止摩擦力は、斜面に沿って下向きに「これが限界、最大摩擦力」 となっているはずです。

ここで、最大摩擦力の式

です。
ここで、斜面に平行な方向における力のつり合いを考えます。
(上向きの力)=(下向きの力)

問題文中の数値を代入して

答え 21N
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