静止摩擦力(3)

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教科書p75 問30

 粗い水平面上に質量 1.0kgの物体を置き、これに糸の一端をつけ、水平右向きに 2.0Nの力を加えた。物体と水平面との間の静止摩擦係数を 0.50とし、重力加速度の大きさを 9.8m/sとする。
(1) このとき、物体にはたらく静止摩擦力の大きさは何Nか。
(2) 引く力を徐々に大きくすると、何Nをこえたときに物体がすべり始めるか。





解答

(1) この問題は、はじめの問題文の途中が、「水平右向きに 2.0Nの力を加えたが、動かなかった。」となっていれば、すんなり解くことができる問題ですが、そうなっていないので、
 (1)の問題文が、「静止摩擦力を求めよ」となっており、また、(2)の問題文から、「(1)のときは、物体は静止摩擦力で動いていないのだな」と判断する必要があります。

 右向き 2.0Nの力を加えても動かないのだから、静止摩擦力は左向きに 2.0N
 
答えは、2.0N


(2) 物体にはたらく重力の大きさは
  =1.0×9.8 N

 よって、物体が水平面から受ける垂直抗力の大きさ(とする)は
  =1.0×9.8 N

 最大摩擦力の式
   より

  =0.50×9.8=4.9 N

よって、引く力の大きさが
4.9N をこえたときに物体がすべり始める。


本当は(2)を先に解き、(1)で、引く力 2.0Nでは物体は動かないことを確認した上で、静止摩擦力は 2.0Nと答える方法が、より適切です。


  
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