
↑(1)ポリエステル樹脂(左)と硬化剤 |
分野
特にありません。種々の分野で工作に利用できます。
内容
前の「E21.化石レプリカ」で、生徒に石膏で化石レプリカをつくらせましたが、そのままだとやがて掛けたり割ったりするので、ポリエステル樹脂で封入し、例えば飾りやペーパーウェイトなどで使えるようにしました。
(1)使用したポリエステル樹脂と硬化剤(パーメックN)です。ポリエステル樹脂をWebで調べると、いろいろのメーカーのものが乗っています。ポリエステル樹脂は、商品名「リゴラック」がよく使われるようです。私が使用したものは、促進剤がすでに混入してあるもので、購入後、数ヶ月のうちに使用しなければならないものでしたが、比較的安かったことと、少量ずつ手軽に購入できたのでこれにしました。
使用するときは、ポリエステル樹脂に硬化剤を1%程度混入するのですが、混ぜる割合は比較的大まかでよく、樹脂100gに硬化剤1ccという具合にして混ぜました。(つまり、樹脂の比重のことは考慮していない)
秤に紙コップを載せ、そこに硬化剤を注ぎます。例えば100g入れたら、ピペットで硬化剤を1cc入れて、割り箸でよく混ぜてから使用します。プラコップは溶けてしまいますので、必ず紙コップを使用します。
硬化剤は、2%,3%と混ぜる割合を多くすると硬化するのが早くなりますが、かなり発熱するとのことですので、私は1%にしました。
(注意)有機溶剤系のすごい臭いがします。有害です。換気に充分気を配ることと、回りの状況等に気をつけてください。小さい子供と一緒には作業しない方が良いと思います。
購入先
平成のよろず屋 なんでもかんでも
http://www.rakuten.ne.jp/nandemo/
(株式会社 共学社 PCクラフト事業部)
・封入用ポリエステル樹脂1kg 2,800円ほど
・硬化剤パーメックN 1,100円ほど
(2)型は、タッパーを使います。電子レンジOKのものが、樹脂が張り付かず、利用できます。
(3)初めに、厚さ1cm程注ぎます。これで1日以上置き、硬化させます。上にほこりが付着すると、一緒に封入されますので、チラシをふわりと載せておくとよいです。紙コップに残った樹脂も当然硬化しますので、この1cm分だけ硬化剤を混ぜます。
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↑(2)型に使うタッパー |

↑(3)樹脂と硬化剤を混ぜたものを1cm程注ぐ |

↑(4)石膏レプリカを入れ、3分の2程度の高さまで樹脂を注ぐ |
(4)初めの1cmが硬化したら、石膏レプリカを載せ、石膏の高さの3分の2程度までさらに樹脂を注ぎます。
注1 樹脂に封入するものに水分が残っていると、あとで樹脂が割れるので、石膏は1週間程度乾燥させます。
注2 石膏の中には空気が入っているので、一気に樹脂を注いで封入してしまうと、空気が出てきながら樹脂が硬化するので、中に気泡ができてしまいます。(下の写真(13))
よって、初めに3分の2程度まで樹脂を注いで硬化させ、その後全部封入するとよいです。
空気を含まないものを封入するときは、一気に封入してよいです。 |

↑(5)必要な高さまで樹脂を注ぐ |
(5)(4)で、2時間以上置いた後、さらに樹脂を注ぎ、封入します。必要な高さまで樹脂を注ぎます。 |

↑(6)フチをはがしていく |
(6)1週間程度置き、完全に硬化させます。
ただし、表面(空気と触れる面)は、完全には硬化せず、指紋がつきます。
タッパーの側面を、力を入れて、パキッという感じで硬化した樹脂から剥離させます。 |

↑(7)逆さにしてカタカタいわせて取り出す |
(7)逆さにして、小刻みに振ると、少しずつ取り出せます。
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↑(8)出てきました |
(8)(9)取り出せました。
側面、底面は完全に硬化しています。(上面はダメ) |

↑(9)上面は完全には硬化せず、指紋が着きます |
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↑(10)種々の例 |
(10)左から、アンモナイト、三葉虫、ティラノサウルスの歯。
レプリカにあわせてタッパーの大きさを選ぶとよいです。 |

↑(11)耐水ペーパー1200番で仕上げた状態 |
(11)上面は硬化せず、ぺたぺたしている状態なので、必ず仕上げる必要があります。また、側面、底面は硬化していますが、湿った感じの仕上がりなので、一緒に仕上げるとよいです。
耐水ペーパーなどで、60番くらいからはじめて、最後1200番程度で仕上げます。全体が磨りガラスのような状態になります。
この作業は、非常に忍耐力を要します。耐水ペーパーは、適当な木片などに巻いて、使用します。 |

↑(12)コンパウンドで仕上げました |
(12)最後にコンパウンドで仕上げます。
この作業も、結構たいへんです。
仕上がると、全体的に硬質な透明感となり、タッパーから取り出したままの質感より、格段によくなります。
コンパウンドは、高級なものを使用する必要はなく、私は、ごく普通の「ピカール」を使用しました。 |

↑(13)失敗例 一気に樹脂を注ぐと石膏中の空気が残ります |
(13)中に気泡が残った失敗例です。
(説明は上の(4)の所)
宮田 佳則 (直江津高校)
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