![]() ↑ラジオの遮へい |
分野 静電遮へい 内容 物理の授業に出てくる、はく検電器の静電遮へいの実験のおまけとして、ラジオと携帯電話を金網に入れる実験をおこなっています。 ラジオを金網の中に入れると、放送が入らなくなります。また、携帯電話を入れても、こちらは繋がります。 ラジオ放送はFM放送を用いると良いです。FM放送は100MHz弱、また、携帯電話は電話会社によって800MHz帯と1.5GHz帯、いわゆる第3世代携帯は2.0GHz帯、PHSは1.9GHz帯を使用しています。ラジオ放送と携帯電話の用いる電波の周波数の違いが、目の大きな金網では、ラジオの電波は遮へいできても携帯電話の電波の遮へいができない理由のようです。 ちなみに、電子レンジの電磁波は2.45GHz帯で、携帯電話に比較的近いのですが、我が家にあった2台の電子レンジに、試しに携帯電話を入れてみたところ、1台の電子レンジは携帯電話がつながってしまいました(もう1台はつながらなかった)。ということは、この電子レンジを使用中は、電磁波がもれているということでしょうか。私は、この現象についてはよく調べていませんので、危険とも安全とも言えません。 はく検電器の静電遮へい用の金網の籠は、市販されているものもあるし、餅を焼く網などで自作もできます。この金網で、ラジオのFM放送も遮断できます。 携帯電話を遮へいするために、40メッシュ(1インチあたりの目の数)のステンレスの金網を使用して、籠を自作してみました。60メッシュのものも作ってみました。どちらも遮へいが可能でした。ただし、少しでもすき間があるとうまくいかなかったり、電波の減衰が弱いのか、まれに携帯電話がつながるときがありました。 箱に入れて電話操作もできないし、また、よく見えないので、別の素材を見つけました。 左の写真の上から3番目が「電磁波シールドメッシュ」です。これは、ナイロンに銀をコーティングしてつくられており、医療や電子、その他の分野で使うためにつくられたようです。この電磁波シールドメッシュは比較的目が粗く(1.5mm程)、網戸のメッシュより粗いと思います。しかし、電磁波を遮り(正確には強度を弱める)、ほぼ、圏外になります。まれに圏外にならないときもありますが、メッシュを2〜3重にすると確実でした(第3世代がしぶとい!)。 電話をこれにくるんだまま容易に操作でき、また、中もよく見えるので、生徒にはわかりやすいです。 なお、静電気の静電遮へいと電磁波の遮へいは状況が異なりますが、生徒にはその点には触れない方が円滑に授業に入ることができると思います。 購入先 マックコーポレーション(大阪府) http://denjiha.macco.co.jp/index.html 125cm幅で、1mあたり、9,500円 素材に銀を使用しているので、高価でした。 宮田 佳則 (新潟高校) |
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