仕事(1)

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  教科書p88〜91   


仕事(教科書p88)

「仕事がはかどった」とか「どんな仕事してるの?」とか、いろんな場面で「仕事」という言葉を使いますが、物理でいう「仕事」は、次の意味で用います。

 物体に力がはたらき、力の向きに物体が移動したとき、 
 その力が「仕事をした」といいます。


例1
図のように、物体に〔N〕の大きさの力を加え、距離〔m〕移動させた場合



この力が物体にした仕事は力の大きさと移動距離の積で次のように定められます。

  ……教科書p88(59)式 

「仕事」は(workの頭文字)で表します。
の単位にN(ニュートン)、の単位にm(メートル)を用いるとき、仕事の単位には
J(ジュール)を用います。
人の名前が元になる単位ですので、大文字で表します。


例2
図のように、斜め上に引く場合



力の向きの斜め上に、荷物は持ち上がってきません!
斜めの力を、荷物が移動する方向と、それに垂直な方向に分解します。
荷物が移動する方向の分力を、垂直な方向の分力をとします。
の向き(横向き)に荷物がだけ移動するので、この場合の仕事は

 斜めに引く場合の仕事 
  

と表すことができます。

なお、
の向き(上向き)に荷物は移動していませんので、のする仕事は 0Jです。


 三角関数を使う場合



 力を分解するときの直角三角形に着目して、 

   cos
 と表すことができます。
 よって、
  =( cos)× cos

 斜めに引く場合の仕事は

   cos ……教科書p89(60)式


例3
図のように、人力車が加速しないように坂道を下る場合。
(力の向きと移動の向きが逆向きの場合)



これは危険です。
油断すると人力車がどんどん加速して、引いていた人が人力車にひかれて、マンガのようにヒラヒラヒラとなってしまいます。



そこで、加速しないように、後ろに力を加えながら、前に進んでいきます。

力の向きと移動の向きが逆向きの場合の仕事は、

 =− (負の仕事) 

と表します。


 上の、力の向きと移動の向きが逆向きの場合について、
 斜めに引く場合の仕事の式

   cos
 で考えると、力の向きと移動の向きが逆向きの場合は
  cos180°=−1
 ですので、
 =−
 となります。

 90°<θ180°の場合、<0(負の仕事)となります。 
 


  
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