仕事(教科書p88)
「仕事がはかどった」とか「どんな仕事してるの?」とか、いろんな場面で「仕事」という言葉を使いますが、物理でいう「仕事」は、次の意味で用います。
物体に力がはたらき、力の向きに物体が移動したとき、
その力が「仕事をした」といいます。 |
例1
図のように、物体に 〔N〕の大きさの力を加え、距離 〔m〕移動させた場合

この力が物体にした仕事 は力の大きさ と移動距離 の積で次のように定められます。
「仕事」は (workの頭文字)で表します。
の単位にN(ニュートン)、 の単位にm(メートル)を用いるとき、仕事 の単位にはJ(ジュール)を用います。
人の名前が元になる単位ですので、大文字で表します。
例2
図のように、斜め上に引く場合

力の向きの斜め上に、荷物は持ち上がってきません!
斜めの力を、荷物が移動する方向と、それに垂直な方向に分解します。
荷物が移動する方向の分力を 、垂直な方向の分力を とします。
の向き(横向き)に荷物が だけ移動するので、この場合の仕事は
と表すことができます。
なお、
の向き(上向き)に荷物は移動していませんので、 のする仕事は 0Jです。
三角関数を使う場合

力 を分解するときの直角三角形に着目して、
= cos
と表すことができます。
よって、
= =( cos )× = cos
斜めに引く場合の仕事は
= cos ……教科書p89(60)式
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例3
図のように、人力車が加速しないように坂道を下る場合。
(力の向きと移動の向きが逆向きの場合)

これは危険です。
油断すると人力車がどんどん加速して、引いていた人が人力車にひかれて、マンガのようにヒラヒラヒラとなってしまいます。

そこで、加速しないように、後ろに力を加えながら、前に進んでいきます。
力の向きと移動の向きが逆向きの場合の仕事は、
と表します。
上の、力の向きと移動の向きが逆向きの場合について、
斜めに引く場合の仕事の式
= cos
で考えると、力の向きと移動の向きが逆向きの場合は
cos180°=−1
ですので、
=− 
となります。
90°<θ 180°の場合、 <0(負の仕事)となります。
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