動摩擦力(3)

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ここでは斜面上における動摩擦力を学びます。


教科書p78 類題13

水平となす角がの粗い斜面上で、質量〔kg〕の物体に初速〔m/s〕を与え、斜面に沿って上向きにすべらせると、しばらくして停止した。この間の物体の加速度を求めよ。また、斜面上をすべった距離は何mか。ただし、物体と斜面との間の動摩擦係数を 、重力加速度の大きさを〔m/s〕とする。





解答



図のように、重力を斜面に平行な方向、斜面に垂直な方向に分解すると、
 斜面に平行な分力の大きさは sin
 斜面に垂直な分力の大きさは cos

物体が斜面から受ける垂直抗力の大きさは
 cos

物体が斜面から受ける動摩擦力の大きさは
  cos


ここで、初速度の向き(斜面に沿って上向き)を正の向きとして物体の運動方程式を書くと
  より
 =− sin cos
  =− sin cos
   =−(sin cos

よって、加速度は 斜面に沿って下向きに (sin cos) 〔m/s


停止するまでに斜面上をすべった距離

等加速度3番目の式
 =2 より
 0=2×{−(sin cos)}×

よって




上の「類題13」では、斜面に沿って上向きにすべるので、動摩擦力は斜面に沿って下向きとなります。
 教科書の一つ前の「例題13」では、物体が斜面に沿って下向きにすべるので、動摩擦力は斜面に沿って上向きになります。
 動摩擦力は、運動を妨げる向きにはたらくので、運動の向きと常に逆向きになります。



  
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