動摩擦力(教科書p77)
粗い水平面上にある物体を水平方向に引くとき、引く力 を徐々に大きくしていくと、引く力 が「これが最大、最大摩擦力 」より大きくなったとき、物体が動き出します。

動き出した後、摩擦がなくなるわけではなく、「ザザザザッ」と、摩擦力がはたらきます。

この、物体が動いているときにはたらく摩擦力を、「動摩擦力」といいます。
動摩擦力の大きさ( とおきます)は、最大摩擦力と同様に、次の2つに関係します。
接触の強さ … 物体の底面と床面との接触の強さです。
面の状態 … ざらざらしている、つるつるしているとか、油が塗ってある、乾いている、湿っている、鉄である、など、さまざまな状態があります。 |
上の@により、動摩擦力の大きさ は垂直抗力の大きさ に比例します。比例定数を とすると、
となります。
比例定数 を、「動摩擦係数」といいます。
・動摩擦力の大きさは物体の速さには関係せず、ほぼ一定の値になります。
・動摩擦係数は、一般に、静止摩擦係数より小さくなります。
動摩擦力は最大摩擦力より小さい
(例)静止摩擦係数 と動摩擦係数 のめやす(教科書p77表1)
面の状態 |
静止摩擦係数 |
動摩擦係数 |
鋼鉄と鋼鉄(乾燥) |
0.78 |
0.42 |
ガラスとガラス(乾燥) |
0.94 |
0.4 |
銅とガラス(乾燥) |
0.68 |
0.53 |
氷と氷(−22°) |
0.3 |
0.035 |
少し上の「 動摩擦力の大きさは面の状態による」については、動摩擦係数 で表すことができます。
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