アイルランドに関して日本で報道されることというと、ほとんどがIRAとか「北」アイルランドの自治政権の話ばかりです。そもそもアイルランドとイギリスは、カトリック系とプロテスタント系の過激派の争いで長年対立し合ってきたという構図が成り立っていますし。
で、アイルランドの教会はみんなカトリックかというと実はそうではなく、ダブリンを含む東海岸沿いにはプロテスタントの教会も結構存在しています。ダブリンで最も有名なセントパトリック教会はなんとプロテスタントの教会だったりします。
私が聞いたところでは、イギリスによる統治下時代の影響がいまだにあるということらしいです。そのため、プロテスタントの教派は「Church of Ireland」、あえて日本語に訳すと「愛国国教会」、イギリスの国教会の愛国版、といったところでしょうか。日本では聖公会に近いのだそうです。
西の方へ行くと、さすがに「カトリック!」って感じなのでしょうか。ただ、日本の仏教と同じで、アイルランドに古くから伝わる固有の宗教との合体版というか、多少雰囲気が違っているのは確かです。十字架の中心に円形(太陽)があしらわれた、いわゆる「ハイクロス」というのはその顕著な例だと思います。
アイルランドの国民の90%(?)は、日曜日の朝教会の礼拝(ミサ)に出席していて、その率は世界一だという話を聞いたことがあります。すげー敬虔なクリスチャン揃いなのか、とんでもない国だな...と感心しておりました。確かに、日曜日の朝はどこの街もガラガラ。とにかく日曜日は教会へ行くから仕事も店もお休み!。バスの時刻表を見ても、日曜の特に午前中はほとんど運行されていないという状態です。
ただ、ここの国民は酒も好きでして(笑)、特に土曜日の夜なんぞは明け方までパブでギネス飲み続けという感じです。なので、私の実感としては、日曜の朝が静かなのはただ単に飲み過ぎて寝てるだけなんではないか(爆)という感じですかね。
事実、ダブリンなどの都市部での礼拝出席率は近年かなり低くなってきているらしいです。田舎の方でも、教会に行くということが隣近所のコミュニティーとしてすでに日常生活に定着しているから出席率が高いだけで、行かないと後でいろいろ言われる(日本の田舎もおんなじだが)という程度のもので、信仰熱心とか、そういうものでもなさそうです。(熱心な方ごめんなさい!)
近代化の波が押し寄せる中、街中では「OPEN SUNDAY」の看板を掲げる店が増えてきています。こういう看板が出るということはつまり、日曜日に店を開けるということは長年タブーとされてきたわけで。日本の「元日営業」と全く同じです。今のところ午後1時くらいから開店するところが多いのですが、ニーズはあるようで、すでにダブリン中心部など観光客相手の店は日曜日も関係なく営業していました。(それでも街中の半分の店は閉まってました!)
私が仕事をしに行ったダブリンの会社で通訳として勤務している日本人の女性の方が、なんとたまたまクリスチャンだったため、お願いしてその方の通う教会に連れていってもらいました。ダブリンの北の街、Drogheda(ドロヘダとかドロハダとか読む)に住んでおられるので、その近くの「Julianstown」という小さな街にある「Church of Ireland」の教会です。
私が日本で行っている教会は、いわゆる福音派に属する教派でして、そこから見ると結構形式ばったイメージはありましたが、ひとりひとりに配布されたプログラムに沿って礼拝が進行されましたので(牧師のせりふもほとんどそこに書いてあるとおり)、初めて英語の礼拝に出たわりにはなんとかついていくことができました。
さて、礼拝終了後、一人の若い男性がいきなり私たちに話し掛けてきました。「皆さん日本人ですか?」 ぎょっ!こっ、こんなところで日本語を聞くとは! 聞けばその人、2年間ほど福岡の中学校で英語を教えていたんだそうで、日本語ぺらぺらでした。日本へ行く前はほとんど話せなかったそうですが...いろいろ話を聞いてみると、やはり日本人の外国語アレルギーはひどいもんのようです。あ、この話は別件で書きたいと思います。
ところで、ここの教会、ずいぶん歴史のあるところなんだそうですが、近年牧師が足りなくて困っているのだそうです。ここの教会の牧師もいくつかの教会を掛け持ちしているそうで、いずれ合併などもやむを得ないのではないかと。うーむ、このテの話は世界共通かもしれませんね。
5世紀にアイルランドにキリスト教を伝えた人らしい。シャムロック(クローバーの一種)の3枚の葉を使ってキリスト教の三位一体を教えたといわれ、現在シャムロックはアイルランドの国花となっている。
フランスの国旗を手本に作られているらしい。左から緑、白、オレンジ。(このページの上の方にあります) 緑はカトリック、オレンジはプロテスタント、中心の白は両者の平和への願いを表しているという。また、緑はこの国の古い要素、オレンジは新しい要素、白は両者の結びつきと友愛を表すともいわれている。
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礼拝の出席率は世界一...なのか?
礼拝に出席してきました。
アイルランドのキリスト教豆知識
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