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建築探訪・その82



     「新潟コンベンションセンター・朱鷺メッセ」 (槙文彦設計)

今回は新潟始まって以来の大プロジェクト、話題(?)の「朱鷺メッセ」です。
設計は、あの有名な「幕張メッセ」を設計した槙さんですか。

「朱鷺メッセ」は2003年5月竣工ですが、併設の美術館は7月オープンです。
本来なら、2002年に行われたサッカーのワールドカップに合わせて計画して
いましたから、もう全然遅れている訳です。       
新潟スタジアム・ビッグスワン
ま、遅れても、別に構いませんけど・・ね。

建設費は、W杯のビッグスワンが310億円、
この「朱鷺メッセ」が450億円との事です。
ビッグです・・・と言うか、ビックリですねェ〜。
新潟県は、お金持ちです・・・ね!

で、大規模建築ですから、1回や2回見ただけで書けませんので「建築探訪」も
延び延びにしていましたら、8月25日に連絡通路の崩落事故が起きました。
お隣が、これまた話題(?)の「万景峰号」で、偶然にも船が出港してすぐの
時間ですから、誰もが「事件か」と思ったことでしょうね。
せっかくの建築が、あんまり変なことで話題になって貰いたくないですよね。

で、崩落の原因は今の所、判らないようですが、結局闇で終るんでしょうか?
結論はキチンと公開して貰いたいですね。闇に葬る事だけは止めて下さい。
しかしこれは決して、槙さんは勿論、構造の渡辺さんの責任ではありません。

私の睨む所、材料(PC鋼線)も含めて、施工の問題だと思いますが・・・?
崩落した通路は、6mx8@=48m、の長さとの事です。
同じ作りの連絡通路が何本かありますが、他は6mx6@=36mです。
48mと36mでは、応力で言うと約2倍違います。強度も2倍必要になります。

            
    
工事中ではありません。「連絡通路崩壊現場」です。立入禁止で近寄れません

そんなことは、アホの私如きが言うまでも無く、1+1=2 みたいな話です。
でも、施工の人は48mも36mも同じ感覚作っていますヨ・・。違うでしょうか?
ただ、もっと元凶を辿れば、「薄く・軽く」という考え方の問題だと思います。
一般の方なら、「どうしてそんなに薄く作りたいか?」と疑問に思うでしょうネ。
「薄く」作りたいんですよ、これがまた・・・。建築家のサガでしょうね。
「厚く」ガッチリ作っていれば壊れません。でも「薄く・薄く」作りたいんですヨ。

あとひとつ、「トキメッセ」というネーミングの話もしたかったんですよ。
私の友人の「K君」が、「トキメッセという名前はパクリだ」、と言うのです。
「K君」の勤めている伝統ある会社の「マネ」をしているという訳です。
ちなみに「K君」の会社は、「トキメック」と言います。 似てるでしょ!

前置きはこれくらいで、本論に入ります。

「トキメック」じゃあ・・ない、「トキメッセ」は、「幕張メッセ」の小型版ですね。
まあ、こちらは「新潟コンベンションセンター」ですが、あちらは、
「日本コンベンションセンター」ですからね。これは致し方ありません。
しかし、「低層の展示場」と「高層のタワー」のバランスがすごくよくて、
本家の「幕張メッセ」より、いいんじゃあないでしょうか。地元贔屓ですか?

あと、第79回の「釧路フィシャーマンズワーフ」の項でも少し書いたのですが、
信濃川の川沿いにあるウッドデッキの通路は、もうちょっと水との馴染みを
よくしてもよかったんじゃあないですか? レベル的に縁が切れています。
ただ、設計では「水とゾロで・手摺もなしで」、としたいのは山々でしょうが、
子供が落ちたりして事故でもあったら一大事、ということもあるのでしょうね。

まあ、せっかく大金かけて造ったんですから、有効に使って貰いたいですね。
 

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