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建築探訪・その72



           「つくばセンタービル」 (磯崎新設計)

磯崎さんの2回目は、「つくばセンタービル」です。

「つくば」は83年竣工ですね。私が行ったのは、84年の3月です。
雨の日で、建物もグレーっぽい色なので、なんだかボンヤリした写真です。
特に右の写真は、カメラの紐が重なっているのか、ちょっとヒドイですね。

この頃は、「ポスト・モダン」という言語が建築論の中心だったと思います。
今や、「ポスト・モダン」なんて言葉はすっかり聞かなくなりまして、
あの頃の激論は、一体なんだったんだろう、と思います。
結局、結論としては「ポスト・モダン」派は敗北したと言うことなんでしょうかね。

ただ、どっちにしてもその当時は、「時代」から逃れることは出来ません。
肯定派も否定派も、よくも悪くも、なんらかの影響は受けている訳です。
否定派代表の丹下さんですら、「ポスト・モダン」調になっていましたネ。
今考えると、安藤さんが唯一左右されない「我が道を行く」派だった気がします。
磯崎さんは、「ポスト・モダン」ではなくて「レイト・モダン」だ、なんて言って、
どっちつかずで、肯定・否定の両派共、煙に巻いていたんではないでしょうか?

「つくばセンタービル」では、磯崎さん得意の「写し」の手法を使っています。
広場のデザインを、ミケランジェロの「カンピドーリオ広場」から「引用」していて、
同じでは面白くないので、色使いを「反転」させている訳ですね。

         
    
     「カンピドーリオ広場」         広場正面の「ローマ市庁舎」前にて


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