県知事の県競馬、撤退発言に対するタケチャンの提言。

 

※この提言は、1998年夏、県知事が最初に廃止に言及した時に書いたものです。県競馬は廃止になってしまいましたが、この提言は日本の競馬をさらに良いのものにしたい意味も含まれています。さらに廃止に踏み切る地方競馬の主催者が現れる前に構造改革をしてほしいと願っております。 


1998年8月5日の地元紙「新潟日報」に県知事が競馬事業からの撤退。つまり新潟県競馬の廃止も検討させるを得ない趣旨の記事が掲載されました。理由は、累積赤字の肥大、収支改善が見込めないとのことです。確かに赤字が増え続けている事業を止めることは正論ではあるが、一方で同じ競馬でも中央競馬は、近年、売上げ不振でも依然として、高い人気と売上げを誇っています。同じ事業をしていて、片方は儲かっていて、もう片方は累積赤字に苦しみ火の車。世の中全体で競馬というものが全く支持されていないのならば廃止もやむなしであるが、前述のような現実がある以上、安直に競馬事業からの撤退すると発言すること自体が腑に落ちないことなのだ。新潟県競馬組合にはあきらめないで、どうしたら県競馬の人気が増えるのか、どうしたら数多くの人に県競馬のファンになってもらえるのか、競馬評論家や競馬好きの著名人を交えて、さらに議論して欲しいです。そこで、タケチャンがどうしたら県競馬が更に発展できるか、提案いたします。

1.競馬事業は興行である。

競馬をはじめとして、競輪、競艇、オートレースは、本来なら賭け事禁止のところ法律を制定して、特例として、賭け事を認可し、その代りに収益を国や地方自治体の財政に寄与することを目的として実施されている事業である。よって、国や地方自治体が直接関与したり組合や特殊法人を組織して事業が展開されている。一方、プロ野球やプロサッカー「Jリーグ」は、民間組織の運営である。スター選手、人気選手がいれば、ファンにより関心を持ってもらうように売り出し作戦を展開する。県競馬にもこういった活動をどんどん展開してもらいたいのだ。幸いにして、ダート競馬では全国的にも通用するロバリーハート、チェイスチェイス、エビスヤマトという馬がいます。また、毎年、ほぼ確実にリーディングジョッキーとなる向山牧騎手がいます。こういう馬や騎手の存在をファンにアピールして欲しいのだ。競馬場内にポスターを貼れば効果も出てくるはずだ。また、元県競馬所属馬(特にJRA所属馬)の活躍振りも紹介して欲しい。スノーエンデバーなんか格好のネタです。そして、マスコミにも売りこんでもらいたい。それと新潟県内だけでなく全国の人から注目してもらえるように電話投票の実施、インターネットのホームページの充実を図る。さらには馬券の種類をもっと増やしてもらいたい。(但し、ワイドは採用するな。)現状は余りにも県競馬の存在が一般に知られなさ過ぎている状況です。興行という意識を全面的に出して競馬を施行して欲しい。

2.JRAをうまく利用しよう。

新潟県競馬にとって、JRAとの関係は避けて通れないものである。新潟競馬場及び三条競馬場ではJRAも県競馬の馬券も両方買えて、本来なら競馬ファンにとっては非常に恵まれた環境なのであるが、実状は不完全極まりない。JRAの施設である新潟競馬場では県競馬の実施時期(4月から正月)のJRA場外発売は、連勝馬券の発売が特別レースに限定されてしまっているのだ。やはり、JRAの競馬が目当てで来ているファンにすれば、これほどファンを無視している行為は無い。これでは中央と地方競馬がせっかく共存しているのに、うまく活かされていない悪例です。県競馬にして見るとJRAの売上げばかり増えて、県競馬の売上げはさらに減るという考えで、何でファンにこんな不便を強いるのであろうが、私に言わせれば全くのナンセンス。中央競馬の連勝馬券(特に馬連)は、100円台の配当で決着することが少ない。いわば的中させるのが難しい。片や県競馬は100円台の配当で決着することが多い。はずれ放しのファンならばより確実に馬券を当てたいという心理が働くでしょう。こういう心理を利用するのです。今までは中央の新潟開催時は、県競馬(三条競馬)は平日のみの開催だが、これを週末に開催して、中央新潟のレースが終了した後や昼休みに県競馬の馬券を売る。もちろん、三条でも今まで通りに中央の重賞や特別レースの馬券を売る。こうすれば中央競馬目当てに三条に入場した人から入場料の徴収が可能となります。JRAを避けるのではなく逆に利用することで売上げをアップさせよう。

3.マスコミよ、もっとプラスイメージの報道をせよ。

中央競馬がなぜ人気があるのか。答えは簡単。マスコミの報道が多く賑やかであるからです。ところが県競馬の報道となると予想付きの出走表と結果だけである。これだけじゃ、余りにも情報が少な過ぎます。たまに報道される時は、売上げ不振や累積赤字のことばかりでは、さらにマイナスイメージが膨らんで、新しいファンの食い付きが期待できなくなります。前述のようにロバリーハートやスノーエンデバーのような活躍馬がいるんだから、これらの馬や騎手の素晴らしさつまり県競馬のイメージが良くなるような報道をたくさんして欲しいのです。県競馬のイメージが良くなれば、お客さんがよりたくさん県競馬に脚を運んでくれて、必然的に売上げの上昇。テレビ中継も復活するでしょう。さらには県競馬のことを「草」呼ばわりするファンも減ることでしょう。マスコミ方々には、せっかくある地元、新潟の地方競馬をプロとして歩み始めたばかりのサッカー「アルビレックス」と同等に盛り上げて欲しいと思っています。県競馬の赤字の原因を追求よりもお客たくさん来てくれるような報道をどんどんしてください。

4.結び。

新潟県競馬は、21世紀になったら廃止になっているかも知れません。しかしだ、新潟県競馬が廃止ならば岩手県競馬組合、東京都特別区競馬組合、兵庫県競馬組合以外はすべて廃止と言っても過言では無い。1ヶ所の地方競馬を潰す前に、中央と地方の関係等現状の有り様を徹底的に見直し、検証を行うべきだ。また、1ヶ所でも潰れるだけで、生産された競走馬の活躍の場が減るわけで、取分け内国産馬特に父内国産馬の活躍の場が失われ、それに比例して我が国の馬産も衰退してしまうことであろう。今までは余りにも限られた馬や人の中で実施していて、メンバーの固定化つまりマンネリ化で売り上げが伸びなかったことが要因の一つであろう。これを解消するために隣県の上山や高崎、同じ日本海側のよしみで金沢当たりと一体化した競馬を実施するべきだ。違ったメンバーとの競走で競馬を活性化しよう。酒井兄弟のことを引き合いにするが、JRAに所属の学騎手の騎手人生が順風満帆で県競馬所属の忍騎手の騎手人生が若くしてその技量を全うに発揮することなく終わるかも知れない。酒井忍騎手に限らず数多くの騎手や調教師他の皆様方の技量がこんなことで発揮できなくなるなんて悲劇です。あってはならないことです。21世紀には新潟競馬場がリニューアルされますが、県競馬(地方競馬)が使用することが無いとなるとこれほど寂しいこともありません。新潟県競馬が未来永劫、存在していることを希望してやみません。

追伸。

2000年シーズンは、県競馬での三条競馬場の使用がありません。理由は、馬運車で馬を運ぶなどのコスト削減です。でも、21世紀になっても三条競馬場で馬がレースをする姿を生で見たいです。これを機会に三条で馬が走ることが無くならないことを祈っております。

 

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