世界環境写真家協会(IEPA)とは

世界環境写真家協会(IEPA)は、「美しい自然環境と人の精神的豊かさは深く結びついている」という理念のもと、2009年に前会長・天野 尚氏の呼びかけによって活動を開始しました。その呼びかけに世界中から100人を超える写真家が応じ、新潟県佐渡市を皮切りに 日本各地で世界環境写真展を開催してきました。

私は、天野氏とは写真家として昔から親交があり、IEPAが本格的に活動を開始する前2008年7月28日にこの協会の構想を二人で相談しました。当時、天野氏はアマゾンや佐渡島の自然風景をテーマとした写真集を出版していましたが、その撮影を通じて地球環境での自然の変化を実感していたようです。「このままでは地球は危ない」、「写真家ができることは今の地球の姿を写真に残し後世に伝えること」という思いが一致し「新潟から世界に発信しよう」と一気にIEPAの発足が決まりました。

天野氏は2015年8月に惜しまれつつ他界されましたが、私がIEPAの会長を引き継ぎ、今日に至ります。

 地球温暖化は人類史上最大の環境問題です。人間が生きていくために、自然を汚し、傷つけてしまったことが原因で地球が病気になり゛熱゛を出したのです。工業先進国(北)と開発途上国(南)が、互いに「自分の国さえよければ」という考えを改めない限り、地球はますます深刻なダメージを受けます。自然を壊すのは一瞬、再生には気の遠くなる時間が必要です。

懐疑的な意見もあるようですが、自然の中で撮影を行う写真家は、温暖化に伴う気象変動、今も続く大規模な自然破壊を肌で感じています。だからこそ、IEPAの活動趣旨に賛同し、これだけたくさんの素晴らしい写真家の作品が集まったのだと思います。天野氏が掲げ、私たちが共感したIEPAの理念は永遠に残ると感じています。そして、その思いが世界中の一人でも多くの方に伝わることを願っています。

一般社団法人 世界環境写真家協会 会長 上山 益男