実家の母(群馬在住)の新潟日報夕刊への投稿文
『念願かない安穏廟に墓標』
群馬から新潟へ、長いトンネルを抜けると越後平野はすっかり
早苗田で、穏やかな風が吹いていた。遠くの山はかすみ、川は
とうとうと流れ、『おおらかだね』と夫婦で納得した。
一人娘が故郷を後にして新潟の大学に入り、そのまま腰を据えて
根をおろした。職業人としても、3人の母としても、なかなか果敢だ。
辛酸を舐めたという形容を決して見せず、そのけなげさに私は心を
打たれている。
おおらかな風土と温かい人情に支えられ、私としては感謝感謝で
いっぱいだ。
その縁もあって、私達もぜひ来世は新潟で・・と願い、実現すること
ができた。角田山を借景に整然とした安穏廟。その一端に『風を聴きながら』
の墓標を彫った。娘夫婦の案内で対面も かない、爽やかな気分だ。
峠を越えた群馬の種が新潟で実った。そんな喜びにあらためて感動した
5月の一日、私のメモリーとなった。