《 痛みについて考える》
☆ 急性の痛みは炎症、感染、外傷などの局所の病変に対する警告サインです
が、慢性の痛みは局所の病変がむしろ不明確で特定できないことも
少なくありません。患者さんは痛みの原因がはっきりしないとこにいらだちを
覚え、複数の医療機関を受診することも少なくありません。
いつになったら楽に?治るのか?という不安とあいまって痛みと長引かせる
要因にもなっています。
さらに痛みが長引くと、二次的に感情の問題、仕事上の問題もからみ、
生活の質が低下します。つまり、食欲の低下、睡眠障害、排泄障害、不安
反応、抑うつ状態、自信喪失、性機能低下、日常生活制限、社会的役割
の不全、生き甲斐の喪失・・・・などがでてきます。
☆ 中年女性を取り巻く環境にはさなざまなストレスがあります。
日常的ストレスが誘因となって慢性疼痛を発症する患者さんもいます。
家族システムの脆弱化、少子化、女性の社会進出、モータリゼーション
等に起因する心身のストレスは痛みにも大いに関係してきます。
☆ 痛みを持つ患者には少なくとも以下のような人間相互間の重要性があると
言われています。
1)痛みは他人の行動を制御できると思っている
2)他人の関心を自分に向けることができる、そのことにより、
間接的にその人を罰する。。。
3)交際したくない人に会わなくてもすむようにしてくれる。
4)通常は許されない行動でも、公然と許されやすい。
5)交通事故や労働災害の保証金がある・・・・
これらは強化因子や疾病利得(痛みで得すること)になるので、
十分な診断が必要になってきます。
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こんなふうに書いてしまうと、まるで慢性的に痛みのある患者さんが
オーバーだったり、うそをついているような誤解を受けますが、
全く違います。
詐病(仮病)と慢性痛は違いますし、自律神経から来る痛み(腹痛、頭痛)も
学校に行きたくないといって『頭が痛い』と意図的に嘘つくのとは違います。
心と身体は切り離せないもので、自分の意思と無関係に痛みはいろいろな
作用を身体や心に及ぼします。これは自分の感情ではなかなか制御できない
ものです。心身症という言葉を聞いたことがあると思います。
心も身体も自分の意のままにならない、時にはやっかいなものです。
でもそれが人間、生きている証拠なんです。
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しかしむしろ痛みの多くは原因がはっきりしている痛みです。
これは原因を取り除けばいいわけですから、患者さんも悩む必要は
ありません。例えば歯痛やけがの痛み。。。。。はそうです。
そのなかに、歯医者さんで完全に治ったと言われても歯肉が痛い
といってあちこちドクターショッピングをする患者さんもいますし、
けがの後遺症がいつまで痛くて、治らない・・・と悩む患者さんも
おられます。痛みが長引くと、本来の痛みの神経以外にいろいろな
悪さをする神経が働いてきて、さらに悪化させたりするのです。
この悪さをするのが自律神経のとくに交感神経です。
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交感神経が興奮すると血管を収縮させ、組織の血流が悪くなり、
浮腫や痛みを悪化させます。悪循環をきたし、さらに交感神経が
緊張する・・・という仕組みです。そこで、交感神経の緊張をとって
痛みを和らげ、悪循環を一時的にでも遮断する事が大事になります。
そこに有効なのが、神経ブロックです。
星状神経節ブロックは頚部にある交感神経の節に局所麻酔薬を入れて
顔面、頚部、上肢の血流を改善します。顔面痛、顔面神経麻痺、目の痛み、
花粉症、慢性副鼻腔炎、歯科治療後の頑痛等々に用います。
時には数回で効果が出ますが、悪循環を断ち切り、痛みを長く和らげる
ためには、何十回もブロック注射をする必要があります。
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自律神経失調症という病名はよく聞きますが、これは単に更年期障害
みたいなもの・・・ではありません。
自律神経は、交感神経、副交感神経の2種類からなり、相互にバランスを
取って、人間の生命を支えています。
汗をかく、熱を出す、胃腸で消化する、夜寝る、おしっこをする・・・・・
どれも自律神経がうまく制御しています。
ひとたび、ストレスやホルモンバランスの乱れや、痛みでそのバランスが
乱れると、自律神経失調状態・・胃がもたれる、寝つきが悪い、身体がだるい
顔がほてる、手足が冷える、などの多彩な症状がでてきます。
自律神経はとても大事なものですが、ふだん意識も出来なし、自分で調節
することもなかなかできません。
ただ言えることは、あまり細かいことにくよくよ悩まない、ストレスをうまく発散
する。気持ちの良いことする。よく寝てよく食べる。。。。。。。
〜〜〜〜〜うまくいかない場合に、精神安定剤や抗うつ薬、抗不安薬などで
調整することもあります。