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調査@:実用鍋27cm−「取っ手にひび割れが生じた」 調査A:ステンレス製万能トングの取り扱い説明 調査B:万能トング小−「内部のバネが破断した。あまり使っていない。」 調査C:圧力鍋問題 調査D:実用鍋24cm−「鍋に入れた水の味について」
1.商品名:27cm 実用鍋
2.内容:取っ手にひび割れが生じた。
3.原因・究明、試験結果
現品の両方の取っ手に「ひび割れした。」と指摘される部分を、まず目視で観察したところ、両方共、本体にリベットで、接合されているステンレス鋼棒に、フェノール樹脂が鋼棒を軸芯として、同時成形で鋳込まれている、取っ手握り樹脂部の端部で、片方づつ「ひび割れ」が、軸芯の鋼棒に沿って生じていることが確認できました。 この破損個所の片方を切取り、「ひび割れ」部分の破断破面を実体顕微鏡で観察結果、別添顕微鏡写真(1)に示すとおり、軸芯の鋼棒(芯棒)が直角に曲がるアール面に接する破面に「空洞」がみられ、この空洞を起点に「さざ波」状に「亀裂」が広がっており、このような空洞が、写真(2)に示すとおり、芯棒に接する部分に繋がって発生しております。
このほかに、写真(3)に示す幾層もの「ひび割れ」が、樹脂端部の過熱により「焼き膨れ」が生じた部分に認められます。 このことから、使用されたときの、ガスコンロの火焔で、取っ手樹脂部の端部を焦がし、樹脂が焼けふくれにより、ひび割れが奥部にまで達して、芯棒と樹脂にすき間ができ、このすき間が広がるとともに、中のガスが、熱で膨張して、芯棒と樹脂の間を押し広げる力が生じ、前述の曲がり角に、存在していた「空洞」中のガスとともに、広げの力が複合して、太い樹脂を疲労破壊的に、亀裂が序々に伝播して広がり、一気に大きく「ひび割れ」と、なったものと推測されます。
本品のような太い芯棒を中心に、樹脂でつつまれて成形されたものは、樹脂成形の際、どうしても樹脂の焼成されるときの温度と、ステンレス鋼製の芯棒の熱との間に、避けられない温度差が生じ、その間に「すき間」や「空洞」のほか、樹脂の「焼けむら」が生じやすい等で、細心の条件で作業することが要件となっているようです。 確認のため、現品を用いて、まず加熱するガスコンロを家庭用の標準とされる、ガス消費量2,150kcal/hのもので、火力を全開にして、水を3L入れて加熱・沸騰させた後、室温まで自然冷却させ、実体顕微鏡で観察した結果、新たな焦げ等の異状は認められませんでした。 この現品取っ手と、同商品未使用新品の取っ手を、再度日本工業規格 S2010 アルミニウム板製品器物の規格に基づく項目について試験を行った結果、次の通りいずれについても異常なく適合しました。
前述の各試験結果では、すべてにJIS規格基準に適合し、製品・構造に欠陥がみられず、取っ手樹脂部の、取り付け位置が、本体上面より、高い位置にあり、通常の家庭用ガスコンロでは過熱される恐れがなく、現品の焦げが認められる状況から、業務用の火力の大きいガスコンロを用いて使用されていたとみられ、誤って強い火力で加熱されたための焦げで、樹脂を劣化させ、ステンレスの芯棒と樹脂とのすき間を広げ、破断させたものと推測されます。 <ステンレス製万能トングの取り扱い説明> 色々な場面において万能トングが使用されるのを目にします。気をつけていただきたい点について以下に書きます。 1.注意
2.お手入れ・保管について
1.商品名:万能トング小(日本市場向けトーションバネ使用)
2.苦情内容の、状況等:「内部のバネが破断した。あまり使っていない。」
3.状況確認.試験結果及び原因等推測結果: 現品について観察した結果、本体を開く動作を行う内部に組み込まれたステンレス鋼製のトーションバネが、コイル箇所付近から引き裂かれたような状態で破断して、バネ材の破断で多くみられる、破断箇所が鋭利な様子が確認できました。 まずこの破断箇所をデジタル顕微鏡で観察したところ、別添顕微鏡写真に示すとおり、写真右側に、疲労により破断した破面に生じる「ビーチマーク」と称される、あたかも波が海岸の砂を洗ったときのような外観が僅かながら確認でき、また矢印部分では亀裂が生じていることが認められました。 なお現実的に本商品の使用用途として、掴む放すという単純な動作のみで、特に高速で開閉動作するような使用方法ではないこと、またあまり使っていないとの申し出があること、加えてバネ材として柔軟性を持つ現品が、疲労のみ要因で破断に直結したと考えるには、やや難問点が残ります。 しかし仮定として、亀裂等が生じていた場合はこの部分が起点となり、僅かな疲労であってもこれに誘発されて破断に至る可能性は十分に想定されます。 以上のことから、破断以前の段階で微少な亀裂が現品に生じていた可能性が上げられます。ただしこの亀裂が製造時の、例えば引き抜き加工・曲げ加工の際に生じたものか、もしくは使用を開始されてから何らかの要因で生じたものか、その発生時期については不明です。 これらの要素から本件の発生要因として、あくまでも推測ではあるものの、現品トーションバネの一部に微少な亀裂が生じていて、これが使用による力の加わりで徐々に深くなり、ある時この亀裂が起点となり、度合いは不明なものの疲労も作用して、そこから一気に破断が生じたものではないかと考えられます。 なお確認のため、現品と同型の新品を用い、鍋・フライパン・ケトル類の取っ手繰り返し強度試験に用いる試験機にセットし、開閉動作を毎分約50回の速度で繰り返し1万回行いましたが、試験後のバネ部等に異常がなく作動することから、新品に関しては通常使用に於いて支障はないものとみられます。
▲破断面の顕微鏡写真(X140): 圧力鍋問題 ※弊社においては、絶対に下記のような事は致しません。正真正銘、弊社のSGマーク対応実用鍋は、弊社において製造されています。
<2007年7月2日付の地元紙より>
この問題で、経済産業省は、中国製の圧力鍋を輸入していた三星刃物(株)(渡辺隆久社長・岐阜県関市)に対し、改善と販売停止を命じたほか、同製品を販売していた栗林商事(株)(栗林正社長・燕市吉田日之出町)に対しては厳重注意を行った。
併せて両社に製品の回収を急ぐよう指導。同製品の使用者に対し、技術基準を満たさない不適合部分があることから、使用しないよう呼びかけている。
このうち、輸入元の三星刃物が同ハウスウェア工業組合の組合員でもあることから、経済産業省では二十七日付で、組合員に対して注意を喚起するよう同組合に求めてきたもので、経済産業省からの文書では「こうした問題が発生したことは、消費者に対する安全性の確保の点から、きわめて遺憾であります」と指摘したうえで、「貴組合員に対して当該事実関係を周知し、注意喚起するとともに、法令順守の徹底をお願いします」と、組合側での対応を求めている。
これを受けて、同組合では法令を順守するよう呼びかけているもので、柄沢理事長は「日ごとから十分に注意して製品づくり、販売をされていることと思うが、さらにいっそうの注意をお願いしたい」と話している。 調査D鍋に入れた水の味について
[お問合せ内容] スポンジや手が黒くなったのは、スープを作り置きしていた為に、ステンレスの錆が出たのだと思います。ステンレスは保存できる物と思っていました。 食材を替えて鍋を使用したところ、鍋を洗ってもスポンジも手も黒くなりませんでした。 取扱説明書に「長時間料理を保管しないで下さい。」と書いてありました。ステンレスの錆が出るとは思わず、スープを保存していました。錆が出るのは、付着した食材によると思います。なので、スポンジと洗剤は送りません。 水の味が変わるのはどうしてでしょうか?
[写真:送られてきた水]
●商品名:実用鍋24cm
●試験項目:提出商品の発生原因推測、デジタルカメラ、デジタルマイクロスコープ、イオン水、鍋で使用したイオン水の分析、蛍光X線分析
1.提出商品の内容と具体的な使用状況 (1)イオン水及び鍋で使用したイオン水の分析。 (2)鍋に問題があるのではないか。 (3)水の味が変わることについて。
2.各種試験方法 (1)デジタルカメラによる写真撮影 キャノン叶サデジタルカメラ(型式:IXY DIGITAL 800IS)を用いて提出商品の実用鍋全体を写真撮影(倍率:0.28倍)した。 (2)デジタルマイクロスコープによる観察及び写真撮影 ハイロックス叶サデジタルマイクロスコープ(型式:KH-3000)を用いて、実用鍋本体内底面のヘアライン加工面の汚れ箇所を観察し、写真撮影(倍率:100倍)を行った。 (3)シーケンシャル型高周波プラズマ発光分光分析 1)島津製作所製シーケンシャル高周波プラズマ発光分光分析装置を用いて、電子イオン水(電解アルカリイオン水!)及び3日間鍋に入れて置いた電子イオン水の水質(陽イオン)を分析した。 2)分析の供した電子イオン水及び鍋に3日間入れて置いた水を比較分析した。 (4)電子イオン水の臭気性及び味の試験 1)提供された電子イオン水及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水について、官能試験で刺激臭、臭いの有無、試飲をして変な味がするか確認した。 (5)蛍光X線分析 島津製作所製エネルギー分散型蛍光X線分析装置(型式:EDX-900)を用いて試料の表面を分析した。分析条件:Rh管球、真空雰囲気、コリメータ径5mm、分析時間100sec、Ti-U:管電圧50kV、管電流1000〜Auto μ A、Na-Sc:管電圧15kV、管電流1000〜Auto μ A、C1:管電圧15kV、管電流1000〜Auto μ Aで測定を行った。 (6)加熱沸騰試験 提出商品の実用鍋を用いて、満水容量の約1/3程度まで超純水を入れ、Paloma製ガスレンジ(型式:IC-3100F、都市ガス、2,150kcal)を用いて強火で加熱し、沸騰してから中火で5分間加熱を続け、そのお湯をトールビーカー300Lの容量の80%程入れ、時計皿で蓋をし、5分間放置した後、刺激臭の有無を確認した。
3.試験結果 (1)デジタルカメラによる写真撮影 1)提出商品のステンレス製蓋付実用鍋全体を写真1に示す。
写真1:提出商品のステンレス製蓋付実用鍋24cm全体 (倍率:0.28倍)
(2)デジタルマイクロスコープによる観察及び写真撮影 1)提出商品の実用鍋内底面に付着した黒い汚れ箇所を写真2に示す。
写真2:提出商品の実用鍋内底面に付着していた研磨カスと思われる黒い汚れ (倍率:100倍)
(3)シーケンシャル型高周波プラズマ発光分光分析 1)提供された電子イオン水(ブランク)及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水を比較分析した結果を表1に示す。
表1:電子イオン水及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水の比較分析(mg/l)
(4)電子イオン水の臭気性及び味の試験 1)検査員による官能試験による臭い及び味に関する結果を表2に示す。 2)電子イオン水(ブランク)及び鍋に3日間入れっぱなしにした電子イオン水からは、刺激臭、変な味はしなかった。
表2:電子イオン水及び鍋に3日間入れて置いた電子イオン水の臭気性及び味(官能試験)
(5)蛍光X線分析 1)提出商品の実用鍋の本体側面部等の汚れ及び蓋の内側を綿棒にエチルアルコールを湿らして、拭き取った灰色〜黒色汚れを蛍光X線分析した結果を表3に示す。 2)鍋本体側面部等の灰色汚れ成分は、ヘアライン研磨等に伴うステンレス鋼成分にミネラル成分、食材成分等によるものと推測される。 3)蓋の内側に付着していた黒い汚れ成分は、研磨に伴う研磨カスにミネラル成分、食材成分と思われる(特に)、白棒研磨剤(Al)が検出された。 4)使用前の洗浄が不十分であることが物語っている。
表3:実用鍋の本体内側面の灰色汚れ及び蓋の内裏の黒色汚れの蛍光X線分析(%)
nd:不検出
(6)加熱沸騰試験 1)持ち込まれたまま洗浄しない提出商品の実用鍋で超純水を用いてお湯を沸かし、そのお湯が刺激臭、味を確認したが、臭いも変な味もしなかった。
4.提出商品の発生原因推測 (1)電子イオン水及び3日間鍋に入れていた電子イオン水の水質分析の結果、ほとんど変化がなく、水質に変わりはなかった。 (2)電子イオン水(ブランク)、鍋に3日間入れたままの電子イオン水には、臭い、味に変わりがなかった。 (3)超純水を使用してお湯を沸かしてみたが、官能試験による臭い、味に関しては、刺激臭、変な味は認められなかった。 (4)提出商品の実用鍋の本体底面、側面面部及び蓋の内裏面をエチルアルコールを浸した綿棒でステンレス鋼表面を拭き取り、乾燥した後、蛍光X線分析した結果、汚れが残っており、ステンレス鋼素材成分、研磨カス、研磨剤等の汚れが確認されたことから、洗浄しないままか、十分に洗浄しなかったまま使用されたことで、初期の段階で臭い等が残った可能性が考えられる。
[結果として] 取扱説明書をよく読んでから使用して下さい。 よく水洗いしてから使用して下さい。 鍋に長期間保存しないで下さい。 |
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