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株式会社 柄沢製作所  
 

試験結果

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調査(1):実用鍋27cm−「取っ手にひび割れが生じた」

調査(2):ステンレス製万能トングの取り扱い説明

調査(3):万能トング小−「内部のバネが破断した。あまり使っていない。」

調査(4):圧力鍋問題

調査(5):実用鍋24cm−「鍋に入れた水の味について」

調査(6):万能トング小−「バネ折れ」

調査(7):実用鍋30cm 両手−「取っ手破損の原因調査」

調査(8):ステンレス鋼製計量スプーン15ccの各種条件での耐食性試験

調査(9):M5-Bオイルポット1.2リットル「本体の縁が割れた」

調査(10):給食食缶(二重容器)10リットル「内側の部分的な箇所にさびが生じた」

 

調査(1)

1.商品名:27cm 実用鍋

 

2.内容:取っ手にひび割れが生じた。

 

3.原因・究明、試験結果

写真(1):現品の片方の、取っ手ひび割れ部分の、破断破面の芯棒が直角に曲がる部分 顕微鏡写真(X15)芯棒に接する樹脂の内層に「気泡」がみられる。この気泡を起点にさざ波状に亀裂が広がっている。

 現品の両方の取っ手に「ひび割れした。」と指摘される部分を、まず目視で観察したところ、両方共、本体にリベットで、接合されているステンレス鋼棒に、フェノール樹脂が鋼棒を軸芯として、同時成形で鋳込まれている、取っ手握り樹脂部の端部で、片方づつ「ひび割れ」が、軸芯の鋼棒に沿って生じていることが確認できました。

 この破損個所の片方を切取り、「ひび割れ」部分の破断破面を実体顕微鏡で観察結果、別添顕微鏡写真(1)に示すとおり、軸芯の鋼棒(芯棒)が直角に曲がるアール面に接する破面に「空洞」がみられ、この空洞を起点に「さざ波」状に「亀裂」が広がっており、このような空洞が、写真(2)に示すとおり、芯棒に接する部分に繋がって発生しております。

写真(2):(1)の部分より芯棒との接着面に気泡が広がっている。顕微鏡写真(X15)

 このほかに、写真(3)に示す幾層もの「ひび割れ」が、樹脂端部の過熱により「焼き膨れ」が生じた部分に認められます。

 このことから、使用されたときの、ガスコンロの火焔で、取っ手樹脂部の端部を焦がし、樹脂が焼けふくれにより、ひび割れが奥部にまで達して、芯棒と樹脂にすき間ができ、このすき間が広がるとともに、中のガスが、熱で膨張して、芯棒と樹脂の間を押し広げる力が生じ、前述の曲がり角に、存在していた「空洞」中のガスとともに、広げの力が複合して、太い樹脂を疲労破壊的に、亀裂が序々に伝播して広がり、一気に大きく「ひび割れ」と、なったものと推測されます。

写真(3):同上樹脂端部の外側に樹脂の焼け焦げによるふくれがみられる部分の破断破面の一部。顕微鏡写真(X15)
過熱による焼けで樹脂内層にひび割れが幾層にも生じて、これが芯棒と樹脂の間を押し空けて、すき間を広げている。

 本品のような太い芯棒を中心に、樹脂でつつまれて成形されたものは、樹脂成形の際、どうしても樹脂の焼成されるときの温度と、ステンレス鋼製の芯棒の熱との間に、避けられない温度差が生じ、その間に「すき間」や「空洞」のほか、樹脂の「焼けむら」が生じやすい等で、細心の条件で作業することが要件となっているようです。

 確認のため、現品を用いて、まず加熱するガスコンロを家庭用の標準とされる、ガス消費量2,150kcal/hのもので、火力を全開にして、水を3L入れて加熱・沸騰させた後、室温まで自然冷却させ、実体顕微鏡で観察した結果、新たな焦げ等の異状は認められませんでした。

 この現品取っ手と、同商品未使用新品の取っ手を、再度日本工業規格 S2010 アルミニウム板製品器物の規格に基づく項目について試験を行った結果、次の通りいずれについても異常なく適合しました。

試験項目
試験方法・条件など
試験結果
取っ手の温度上昇 無風の室内で、本体にその満水容量の約70%の水を入れて沸騰させ、静かに沸騰が続くように加熱して5分間経過したときの樹脂取っ手下面端部の温度を熱電対温度計で測定する。(ガスコンロ2,150kcal/h) 28.5℃(適合)
(規格 75℃以下)
取っ手の耐熱性 同商品未使用取っ手について150±2℃の恒温槽内にいれ2時間保持して取り出し、異状の有無を目視によって調べる。 樹脂のこげ、ひび割れ等の異状を認めない。

 前述の各試験結果では、すべてにJIS規格基準に適合し、製品・構造に欠陥がみられず、取っ手樹脂部の、取り付け位置が、本体上面より、高い位置にあり、通常の家庭用ガスコンロでは過熱される恐れがなく、現品の焦げが認められる状況から、業務用の火力の大きいガスコンロを用いて使用されていたとみられ、誤って強い火力で加熱されたための焦げで、樹脂を劣化させ、ステンレスの芯棒と樹脂とのすき間を広げ、破断させたものと推測されます。

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調査(2)

<ステンレス製万能トングの取り扱い説明>

 色々な場面において万能トングが使用されるのを目にします。気をつけていただきたい点について以下に書きます。

1.注意

  • 万能トングは消耗品です。充分にご注意をしてお取扱い下さい。
  • 本品は卓上の料理を取り分ける時に使用する道具です。これ以外の目的では使用しないで下さい。
  • 製品の特製上、フチ部分は鋭くなっています。使用の際は、フチ部分を握ったり指を挟んだりしないで下さい。ケガをする恐れがあります。
  • 使用する前にガタツキや破損などがないか確認してから使用して下さい。
  • 加熱中の鍋のフチやハンドルにひっかけたり、中に放置しないで下さい。火傷などの事故の原因になります。
  • ガタツキ・変形・破損した場合は、修理・改造等をせず、ただちに使用を中止して下さい。
  • 火のそばには絶対に放置しないで下さい。また、直接火に触れないようにして下さい。
  • バネ部については、コイルバネ製と板バネ製の品物の二種類あります。
    ▲板バネ製
    ▲コイルバネ製
  • 使用用途以外の目的で使用された場合、極度の過重をかけた場合、及びバネの寿命による破損の場合、バネは折れます。折れたバネは下へ落下して使用中の品物の中に入り込む恐れがあります。充分に注意してお取扱い下さい。
  • コイルバネ性の品物については、バネ部破損の場合、廃棄物としてお取扱い下さい。
  • 板バネ製の品物については、バネ部を交換していただき、新しい板バネを入れることにより、お取扱いいただけます。

2.お手入れ・保管について

  • はじめてご使用になる際は、食器用洗剤でよく洗ってから使用して下さい。
  • ご使用後は、食器用洗剤で洗い、水気をよく拭き取ってください。
  • 濡れたまま、または、汚れがついたままの保管は絶対にしないで下さい。サビの原因になります。
  • 製品を台紙から外す際は、ビニタイの芯の針金が手指を傷つけないよう充分注意して下さい。

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調査(3)

1.商品名:万能トング小(日本市場向けトーションバネ使用)

 

2.苦情内容の、状況等:「内部のバネが破断した。あまり使っていない。」

 

3.状況確認.試験結果及び原因等推測結果:

 現品について観察した結果、本体を開く動作を行う内部に組み込まれたステンレス鋼製のトーションバネが、コイル箇所付近から引き裂かれたような状態で破断して、バネ材の破断で多くみられる、破断箇所が鋭利な様子が確認できました。

 まずこの破断箇所をデジタル顕微鏡で観察したところ、別添顕微鏡写真に示すとおり、写真右側に、疲労により破断した破面に生じる「ビーチマーク」と称される、あたかも波が海岸の砂を洗ったときのような外観が僅かながら確認でき、また矢印部分では亀裂が生じていることが認められました。

 なお現実的に本商品の使用用途として、掴む放すという単純な動作のみで、特に高速で開閉動作するような使用方法ではないこと、またあまり使っていないとの申し出があること、加えてバネ材として柔軟性を持つ現品が、疲労のみ要因で破断に直結したと考えるには、やや難問点が残ります。

 しかし仮定として、亀裂等が生じていた場合はこの部分が起点となり、僅かな疲労であってもこれに誘発されて破断に至る可能性は十分に想定されます。

 以上のことから、破断以前の段階で微少な亀裂が現品に生じていた可能性が上げられます。ただしこの亀裂が製造時の、例えば引き抜き加工・曲げ加工の際に生じたものか、もしくは使用を開始されてから何らかの要因で生じたものか、その発生時期については不明です。

 これらの要素から本件の発生要因として、あくまでも推測ではあるものの、現品トーションバネの一部に微少な亀裂が生じていて、これが使用による力の加わりで徐々に深くなり、ある時この亀裂が起点となり、度合いは不明なものの疲労も作用して、そこから一気に破断が生じたものではないかと考えられます。

 なお確認のため、現品と同型の新品を用い、鍋・フライパン・ケトル類の取っ手繰り返し強度試験に用いる試験機にセットし、開閉動作を毎分約50回の速度で繰り返し1万回行いましたが、試験後のバネ部等に異常がなく作動することから、新品に関しては通常使用に於いて支障はないものとみられます。

▲破断面の顕微鏡写真(X140):
  不鮮明だが写真右部に疲労を表すビーチマークが確認できる。破断に直結するレベルの疲労とは考えられないが、矢印部分の亀裂から一気に破断に至ったものではないかと推測される。

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調査(4)

圧力鍋問題

※弊社においては、絶対に下記のような事は致しません。正真正銘、弊社のSGマーク対応実用鍋は、弊社において製造されています。

 

<2007年7月2日付の地元紙より>
  中国から輸入され、国内で販売されていた家庭用の圧力鍋で、法律で定める技術基準を満たしていないにもかかわらず、基準適合マーク(PSCマーク)を付けて販売されていたことで、経済産業省から輸入した企業と販売した企業に対し、早急に回収するよう指導がなされた問題で、日本金属ハウスウェア工業組合(柄沢好兒理事長)は二十八日、組合企業に対し、法令順守の徹底を呼びかける文書を発送した。

 

 この問題で、経済産業省は、中国製の圧力鍋を輸入していた三星刃物(株)(渡辺隆久社長・岐阜県関市)に対し、改善と販売停止を命じたほか、同製品を販売していた栗林商事(株)(栗林正社長・燕市吉田日之出町)に対しては厳重注意を行った。

 

 併せて両社に製品の回収を急ぐよう指導。同製品の使用者に対し、技術基準を満たさない不適合部分があることから、使用しないよう呼びかけている。

 

 このうち、輸入元の三星刃物が同ハウスウェア工業組合の組合員でもあることから、経済産業省では二十七日付で、組合員に対して注意を喚起するよう同組合に求めてきたもので、経済産業省からの文書では「こうした問題が発生したことは、消費者に対する安全性の確保の点から、きわめて遺憾であります」と指摘したうえで、「貴組合員に対して当該事実関係を周知し、注意喚起するとともに、法令順守の徹底をお願いします」と、組合側での対応を求めている。

 

 これを受けて、同組合では法令を順守するよう呼びかけているもので、柄沢理事長は「日ごとから十分に注意して製品づくり、販売をされていることと思うが、さらにいっそうの注意をお願いしたい」と話している。

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調査(5)

鍋に入れた水の味について

 

[お問合せ内容]

 スポンジや手が黒くなったのは、スープを作り置きしていた為に、ステンレスの錆が出たのだと思います。ステンレスは保存できる物と思っていました。

 食材を替えて鍋を使用したところ、鍋を洗ってもスポンジも手も黒くなりませんでした。

 取扱説明書に「長時間料理を保管しないで下さい。」と書いてありました。ステンレスの錆が出るとは思わず、スープを保存していました。錆が出るのは、付着した食材によると思います。なので、スポンジと洗剤は送りません。

 水の味が変わるのはどうしてでしょうか?

 

送られてきた水

[写真:送られてきた水]

 

●商品名:実用鍋24cm

 

●試験項目:提出商品の発生原因推測、デジタルカメラ、デジタルマイクロスコープ、イオン水、鍋で使用したイオン水の分析、蛍光X線分析

 

1.提出商品の内容と具体的な使用状況

(1)イオン水及び鍋で使用したイオン水の分析。

(2)鍋に問題があるのではないか。

(3)水の味が変わることについて。

 

2.各種試験方法

(1)デジタルカメラによる写真撮影

キャノン(株)製デジタルカメラ(型式:IXY DIGITAL 800IS)を用いて提出商品の実用鍋全体を写真撮影(倍率:0.28倍)した。

(2)デジタルマイクロスコープによる観察及び写真撮影

ハイロックス(株)製デジタルマイクロスコープ(型式:KH-3000)を用いて、実用鍋本体内底面のヘアライン加工面の汚れ箇所を観察し、写真撮影(倍率:100倍)を行った。

(3)シーケンシャル型高周波プラズマ発光分光分析

1)島津製作所製シーケンシャル高周波プラズマ発光分光分析装置を用いて、電子イオン水(電解アルカリイオン水!)及び3日間鍋に入れて置いた電子イオン水の水質(陽イオン)を分析した。

2)分析の供した電子イオン水及び鍋に3日間入れて置いた水を比較分析した。

(4)電子イオン水の臭気性及び味の試験

1)提供された電子イオン水及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水について、官能試験で刺激臭、臭いの有無、試飲をして変な味がするか確認した。

(5)蛍光X線分析

島津製作所製エネルギー分散型蛍光X線分析装置(型式:EDX-900)を用いて試料の表面を分析した。分析条件:Rh管球、真空雰囲気、コリメータ径5mm、分析時間100sec、Ti-U:管電圧50kV、管電流1000〜Auto μ A、Na-Sc:管電圧15kV、管電流1000〜Auto μ A、C1:管電圧15kV、管電流1000〜Auto μ Aで測定を行った。

(6)加熱沸騰試験

提出商品の実用鍋を用いて、満水容量の約1/3程度まで超純水を入れ、Paloma製ガスレンジ(型式:IC-3100F、都市ガス、2,150kcal)を用いて強火で加熱し、沸騰してから中火で5分間加熱を続け、そのお湯をトールビーカー300Lの容量の80%程入れ、時計皿で蓋をし、5分間放置した後、刺激臭の有無を確認した。

 

3.試験結果

(1)デジタルカメラによる写真撮影

1)提出商品のステンレス製蓋付実用鍋全体を写真1に示す。

写真1:提出商品のステンレス製蓋付実用鍋24cm全体 (倍率:0.28倍)

 

(2)デジタルマイクロスコープによる観察及び写真撮影

1)提出商品の実用鍋内底面に付着した黒い汚れ箇所を写真2に示す。

写真2:提出商品の実用鍋内底面に付着していた研磨カスと思われる黒い汚れ (倍率:100倍)

 

(3)シーケンシャル型高周波プラズマ発光分光分析

1)提供された電子イオン水(ブランク)及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水を比較分析した結果を表1に示す。
2)鍋に3日間入れたまま放置された水も、電子イオン(ブランク)との差はなかった。

 

表1:電子イオン水及び鍋に3日間入れっぱなしにされた水の比較分析(mg/l)

試料名/検出元素

Na

ナトリウム

K

カリウム

Mg

マグネシウム

Ca

カルシウム

Si

ケイ素

B

ホウ素

Cr

クロム

Mn

マンガン

Sr

ストロンチウム

Fe

電子イオン水
2.1
1.1
1.7
2.4
0.94
0.04
0.01
0.01 以下

0.06

0.01 以下

鍋に3日間入れて置いた電子イオン水
2.0
1.3
1.8
2.5
0.91
0.05
0.01
0.01 以下
0.06
0.01 以下

 

(4)電子イオン水の臭気性及び味の試験

1)検査員による官能試験による臭い及び味に関する結果を表2に示す。

2)電子イオン水(ブランク)及び鍋に3日間入れっぱなしにした電子イオン水からは、刺激臭、変な味はしなかった。

 

表2:電子イオン水及び鍋に3日間入れて置いた電子イオン水の臭気性及び味(官能試験)

試験項目
官能試験
水の種類
臭気性
試飲による味・味覚
電子イオン水 刺激臭などの臭いは感じられなかった(5/5) 全く味の変化(いやな味)は認められなかった
鍋に3日間入れて置いた電子イオン水 刺激臭などの臭いは感じられなかった(5/5) 全く味の変化(いやな味)は認められなかった

 

(5)蛍光X線分析

1)提出商品の実用鍋の本体側面部等の汚れ及び蓋の内側を綿棒にエチルアルコールを湿らして、拭き取った灰色〜黒色汚れを蛍光X線分析した結果を表3に示す。

2)鍋本体側面部等の灰色汚れ成分は、ヘアライン研磨等に伴うステンレス鋼成分にミネラル成分、食材成分等によるものと推測される。

3)蓋の内側に付着していた黒い汚れ成分は、研磨に伴う研磨カスにミネラル成分、食材成分と思われる(特に)、白棒研磨剤(Al)が検出された。

4)使用前の洗浄が不十分であることが物語っている。

 

表3:実用鍋の本体内側面の灰色汚れ及び蓋の内裏の黒色汚れの蛍光X線分析(%)

試料名/検出元素

Fe

Cr

クロム

Ni

ニッケル

Mn

マンガン

Ca

カルシウム

Si

ケイ素

Al

アルミニウム

P

リン

K

カリウム

S

硫黄

本体内側面の灰色汚れ
40.64
9.65
nd
nd
27.94
11.39
nd
6.61
nd
3.79
蓋の内側面の黒色汚れ
60.21
7.13
3.90
0.37
12.19
8.31
2.42
nd
1.28
4.19

 nd:不検出

 

(6)加熱沸騰試験

1)持ち込まれたまま洗浄しない提出商品の実用鍋で超純水を用いてお湯を沸かし、そのお湯が刺激臭、味を確認したが、臭いも変な味もしなかった。

 

4.提出商品の発生原因推測

(1)電子イオン水及び3日間鍋に入れていた電子イオン水の水質分析の結果、ほとんど変化がなく、水質に変わりはなかった。

(2)電子イオン水(ブランク)、鍋に3日間入れたままの電子イオン水には、臭い、味に変わりがなかった。

(3)超純水を使用してお湯を沸かしてみたが、官能試験による臭い、味に関しては、刺激臭、変な味は認められなかった。

(4)提出商品の実用鍋の本体底面、側面面部及び蓋の内裏面をエチルアルコールを浸した綿棒でステンレス鋼表面を拭き取り、乾燥した後、蛍光X線分析した結果、汚れが残っており、ステンレス鋼素材成分、研磨カス、研磨剤等の汚れが確認されたことから、洗浄しないままか、十分に洗浄しなかったまま使用されたことで、初期の段階で臭い等が残った可能性が考えられる。

 

[結果として]

 取扱説明書をよく読んでから使用して下さい。

 よく水洗いしてから使用して下さい。

 鍋に長期間保存しないで下さい。

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調査(6)

1.商品名:万能トング小

 

2.苦情の内容、状況等:「業務用として使用していたところ、内部のバネが破断し食品内に落下した」

 ・コンビニエンスストア ローソンにて使用

 

3.状況確認.試験結果及び原因等推測結果

 観察した結果、本体を開く動作を行う内部に組み込まれたステンレス鋼製のコイルバネが、コイル箇所付近から破断しており、この破断箇所をデジタル顕微鏡で観察したところ、別添顕微鏡写真に示すとおり、疲労により破断した破面に生じる「ビーチマーク」と称される、あたかも波が海岸の砂を洗ったときのような外観が部分的に確認できた。この他腐食箇所は認められない。

 つぎに確認のため、現品と同型の新品を用い、鍋・フライパン・ケトル類の取っ手繰り返し強度試験に用いる試験機にセットし、開閉動作を毎分約50回の速度で繰り返し7万回行いつぎの結果を得た。

 

試験項目
試験結果
開閉動作70,000回 コイルバネに破断等の異常を認めず、特に支障なく開閉作動する

 

 この試験の結果、本商品のバネ部は少なくとも短期間の使用で破断する耐久性の低いものではないといえる。なお現実的に本商品の使用用途として、掴む放すという単純な動作のみで、特に高速で開閉動作するような使用方法ではないこと、加えてバネ材として柔軟性を持つ現品が、疲労だけの要因で破断に直結したと考えるには、やや疑問点が残る。しかし仮定として、亀裂等が生じていた場合はこの部分が起点となり、疲労の蓄積がこれに誘発されて破断に至る可能性は十分に想定される。

 以上のことから、破談以前の段階で微小な亀裂が現品に生じていた可能性が上げられる。ただしこの亀裂が製造時の、例えば引き抜き加工・曲げ加工の際に生じたものか、若しくは使用を開始されてから何らかの要因で生じたものか、その発生時期については不明であるが、この亀裂が使用による力の加わりで徐々に深くなり、ある時この亀裂が起点となり、疲労影響も作用して、そこから一気に破断が生じたものではないかと考えられる。

 なお基本的には現品のようなバネ類は消耗品であり、程度の差はあるものの劣化による破損等は避けられることができず、特に業務用として用いられる場合は本件のように食品中に破損品が落下する場合も想定されることから、使用者の十分な注意が望まれる。

 

▲破断面の顕微鏡写真(×120)

▲破断面の顕微鏡写真(×120)

 

折れたバネと新しいバネ

▲折れたバネと新しいバネ

ばね折れトング

▲ばね折れトング

【結果として】

折れたバネは、下方向に落下します。折れたバネには十分に注意してご使用下さい。

 

調査(6) 補足

『弊社における万能トング小(コイルバネ)のテスト』 (日付 平成17年11月12日)

テスト条件:回転数120〔rpm〕→週速度 約678〔mm/sec〕

結果:71,300回で5本中1本が折損

考察:

(1)トングの掴み、放しの動作は、手動より試験機のほうが数倍速いので手動を静荷重とすれば試験機のほうは動荷重。

(2)また、連続テストとバネ本体に電力を通している為、熱の影響が出ていました。

(3)カウンターのバネの折損により数千回分カウントされない状態が発生しました(カウンターのバネの折損5回)。

(4)以上のことにより、実際より大分過酷なテストと考えられます。よって量産品の71,300回で折損も通常の状態においては相当数の使用に耐えられると思います。

 

調査(6) 補足の補足

 様々な万能トングの施策をしています。

万能トング

今のところ、採用されたのは”バネ部にステンレス鋼を使用してバネ部と本体部を溶接して製造”した品物だけです。

◆なぜコレだけかと言うと・・・

・実用的にいいものを作ることが出来ない

・コスト面で合わない

ということがあげられます。

 もう少しアイディアを出して、実用的な品物つくりを目指しています。

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調査(7)

[お問合せ内容]

 納めたサイズは30cmが2個、33cmが1個、36cmが2個の計5個ですが、30cmの2個だけが初めて使用したところ数十分でパチンという音がして樹脂取っ手が欠けて蓋を開けていたので、料理の中に入ってしまった。使用器具は電磁調理器です。他のサイズは問題なく使用しています。

 原因と対応をユーザー(保育園)及び販売店に報告しなければなりません。よろしくお願いいたします。

(EBMへのOEM製品)

 

1.商品名:実用鍋30cm 両手

 

2.各種試験方法

(1)デジタルマイクロスコープによる写真撮影
提出商品を観察し、ハイロックス(株)デジタルマイクロスコープ(KH‐3000)を用いて、破損した取っ手下部を写真撮影した。
(2)取っ手合成樹脂の耐熱性試験(JIS S2010:7.10 耐熱性)
取っ手樹脂を150℃の恒温槽内に2時間保持した後取り出し、目視によってひび割れ、膨れ及び破損の有無を調べた。
(3)取っ手の温度上昇試験
(1)IHクッキングヒーターによる加熱(SG CPSA 0123:3.2 取っ手及びふたのつまみの温度)
  提出商品の両手鍋に油を全容積(10L)の3分の2入れ、IHクッキングヒーターを用いて、油温が200℃に達するまで加熱し、この状態を30分継続したときの手の触れる部分の温度を測定した。
(2)ガスコンロによる加熱(JIS S2010:7.15 取っ手及びつまみの温度上昇)
  提出商品の両手鍋に水を満水容量の70%入れた状態でパロマ製ガスバーナ(標準バーナ・2150kcal)で加熱し、沸騰後静かに沸騰が続くように5分間保持し、取っ手下面中央部の温度を測定した。

3.試験結果

 
(1)デジタルマイクロスコープによる写真撮影
提出商品の全体は写真1に、取っ手下部は写真2に示す。
写真2に示した通り取っ手下面樹脂部分に膨れが確認された。鍋本体には変色等異状は確認されなかった。
(2)取っ手合成樹脂の耐熱性試験
取っ手樹脂にひび割れ、膨れ及び破損は生じなかった。
(3)取っ手の温度上昇試験
以下の表に試験結果を示す。
試験結果/温度 測定温度 基準
(1)IHクッキングヒーター 40.4℃

室温+40℃以下

(62℃以下)

(2)ガスコンロ 39.4℃ 75℃以下

 

4.提出商品の発生原因推測

(1)提出商品はステンレス製の鍋本体にフェノール樹脂の取っ手が付いた商品である。
フェノールは耐熱性に優れた樹脂である。
(2)提出商品の両手鍋全体は写真1に取っ手下部は写真2に示した通り。
片側の取っ手樹脂の下面(破損箇所付近)に膨れが確認された。これより、取っ手下部が高温にさらされたために樹脂の変形、破損に至ったと考えられる。
(3)取っ手の温度上昇試験の結果、樹脂の変形温度には至らず変形・破損は起こらなかった。
 
(4)詳しい使用状況や試用期間等が不明であり樹脂の破損原因の特定は困難であるが、これらの試験結果より樹脂の破損は、成型不良や調理中に鍋からの熱が伝わったことにより起こったのではなく、ガスコンロ等で使用した際に火力が強く側面から火が上がっていたか、鍋が五徳の中心からずれていた為に取っ手樹脂が過熱され変形・破損したと思われる。

提出商品の全体

▲写真1 提出商品の全体

 

提出商品の取っ手下部

▲写真2 提出商品の取っ手下部

 

<結果として>

 この資料を元にお客様に再度確認したところ、”実はガス調理器を使用して火をハンドル部にあててしまった。”とのことでした。お客様からは火があたっても欠けないプラスチック取っ手でなければいけないとのこと・・・。

 しかし、弊社においては火があたったら欠けないプラスチック製の樹脂を使用していないことと、そのような使用に際しては、金属製のハンドルがつけられた鍋を使用していただきたいことを説明いたしました。

 くれぐれも使用に際しては、十分に注意して使用して下さい。

 そこまで火力を上げると大変危険です。

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調査(8)

ステンレス鋼製計量スプーン15ccの各種条件での耐食性試験

 

 弊社ステンレス鋼製計量スプーン15ccが栄養補助食品を含んだ溶液中でさびるかどうかの実験をしました。

 

ステンレス鋼製

 

[試験方法]

 計量スプーンを下記の条件で浸し、これを常温の室内で72時間保持した後、計量スプーンにさびが生じるか否かを目視により調べる。

 

[使用材料]

 プロテイン(1) :エンジョイプロテイン (株)クリニコ
 プロテイン(2) :エンジョイプロテインFeZ (株)クリニコ
 牛乳 :まきばの空 森永乳業(株)
 食塩 :国産塩 (財)塩事業センター
試験条件 試験結果
5%食塩水中 さびの発生を認めない
(1)10gを300mlの水に溶かした溶液中 同上
(2)10gを300mlの水に溶かした溶液中 同上
(1)10gを300mlの牛乳に溶かした溶液中 同上
(2)10gを300mlの牛乳に溶かした溶液中 同上
水道水中 同上
(1)缶の粉末中に差し込んだ状態 同上
(2)缶の粉末中に差し込んだ状態 同上

 

[コメント]

 試験品のようなステンレス鋼製スプーン等をさびつかせない取り扱い方法として、使用後は食器用洗剤を用いて速やかに洗浄し、また水気を拭き取っておくことが大切で、上記試験条件のように、使用した容器の中に入れたままする等の使用方法は避けるべきである。

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調査(9)

 

1.商品名:M5-Bオイルポット1.2リットル

 

2.内容:本体の縁が割れた。

 

3.観察方法

(1)デジタルカメラによる写真撮影
 キャノン(株)製デジタルカメラIXYDIGITAL800ISを用いて現品各部を撮影した。

写真1:現品全体

 

写真2:現品の亀裂全体

 

写真3:現品の亀裂下部(×20)

 

写真4:現品の亀裂中間(×20)

 

写真5:現品の亀裂上部(×20)

 

(2)デジタルマイクロスコープによる観察
 ハイロックス(株)デジタルマイクロスコープKH-3000を用いて現品を観察し撮影した。

 

4.観察結果

(1)申し出のとおり、現品縁から下に5mm程度下がった部分から、長さ5cm程度の縦割れが生じている。
(2)実際に使用されていたため、汚れの付着は部分的に認めるものの、打痕等はみられず、特に異常な使用方法はなかったものと推測される。

 

5.まとめ

(1)特に現品のようなオーステナイト系のステンレス鋼の場合、プレス絞り加工によって平板を強いエネルギーで絞りあげて立体に成型すると、加工された板の金属組織の一部がマルテンサイト組織(硬くなり磁性が生じる)に変態する性質があり、この現象を「加工硬化」と称されており、プレス絞り加工が強く施されている部分ほど顕著になる。
(2)このように加工硬化した部分は、硬くなってもろくなるとともに、機会をみて一気にもとの平板に戻ろうとする破壊の力が働き、絞り上げられた方向に対し直角に割れが生じて反り返る。
(3)このひずみ割れ現象は加工直後より、むしろかなりの時間が経過してから発生することが多く、時期割れまたは置き割れと称されている。また使用による加熱〜冷却による金属の膨張〜収縮等の影響を受けて発生することも多い。
(4)加工硬化及び残留ひずみは、程度の差があるものの、これらの絞り加工品には生じるもので、この「ひずみ・硬化」を除去して破壊を防ぐ方法として、絞り成型のあとに焼き鈍し処理(温度約700度以上に熱したのち、冷ます)を施すことが最善策だが、とかくこの処理を施すと、板が軟らかくなるため、凹みや変形が生じやすくなる等の難点があることから、処理をしないのが実情である。
(5)実際に使用された詳しい状況等が不明なため、あくまでも推測の域を脱しないが、本件は現品に製造工程(プレス絞り加工)による加工硬化と残留ひずみが存在したことと、使用により熱が加わったこと、さらに冷却等による影響を受けて生じた破損と推測される。

 

<結果として>

 経済合理性の観点から、コスト競争力に優れ、製品として安定的に生産できる材料SUS304を選択して生産しています。時期割れを起こさないように永年の経験から製造をしています。が、4〜5年に1,2回位起きてしまうことも事実であります。

 弊社としましては、こういったことが絶対的に発生してはいけない場面に使用される製品の場合には、通常のSUS304とは異なる材料の紹介を行っています。また、製品製造におきましても、上記の報告にあるように、通常と異なる製造工程にて製品作りをおこなっています。

 そして、当然のこととしまして、こういった事故が起きないような取り組みも続けていきます。

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調査(10)

 

1.商品名:給食食缶(二重容器)10リットル

 

2.申し出内容:
 ・給食用の容器(ご飯入れ、汁入れ)として使用していたが、内側の部分的な箇所にさびが生じた。
 ・使用後は食洗機で十分に洗浄していた。

 

3.試験及び観察方法

(1)デジタルカメラによる写真撮影
 キャノン(株)製デジタルカメラIXYDIGITAL800ISを用いて現品各部を撮影した。

写真1:現品内面全体

 

写真2:現品内面の孔食(×20)

 

写真3:現品内面別箇所の孔食(×20)

 

(2)デジタルマイクロスコープによる観察、撮影
 ハイロックス(株)デジタルマイクロスコープKH-3000を用いて現品を観察し撮影した。
(3)蛍光X線分析装置による材質分析
 島津エネルギー分散型蛍光X線分析装置Rayny EDX-900HSを用いて、現品内側の申し出箇所について、材質成分を分析をした。

 

4.試験及び観察結果

(1)現品の内面には、申し出のとおりさびのような部分が数点認められ、この部分をデジタルマイクロスコープで観察した結果、孔食(ステンレスの腐食)が生成している様子が確認できた。
 (写真1:現品内面全体、写真2:現品内面の孔食)
(2)現品内面の孔食箇所を切り取り、この部分を蛍光X線分析装置により、材質分析を行った結果をつぎに示す。
成分名及び分析結果(%)
Cr
Cl
Ni
Cu
Mn
Si
K
Mo
S
V
16.73
15.18
5.75
2.58
1.16
0.41
0.14
0.10
0.10
0.07
(3)この結果現品のステンレス鋼成分の他に、調理物や煮汁等、また水道水に含まれる塩素(Cl)、カリウム(K)、硫黄(S)等の成分が検出された。
(4)なお確認の為、現品の孔食等がない部分について、同様に材質分析を行い、つぎの結果を得た。
成分名及び分析結果(%)
Cr
Ni
Cu
Mn
17.22
7.18
2.28
0.84
(5)これにより、オーステナイト系SUS304J1に相当する分析結果を確認したことから、現品は耐食性に優れた材質であるといえる。

 

5.まとめ

(1)ステンレス鋼の表面は薄い酸化皮膜(不働態化皮膜)と呼ばれる皮膜で覆われており、この皮膜がステンレスをさびにくくしているものであるが、この酸化皮膜は調理物や煮汁に含まれる塩素イオン、また水道水に含まれる残留塩素イオンに弱いものである。
(2)現状から、部分的に汚れ(調理物)が残ったまま保管されたため、付着したミネラル成分とステンレス鋼表面とのすき間に塩素イオンが濃縮され、すき間腐食を起こしたか、または塩素イオンによりステンレス鋼表面に生成する不働態化皮膜が局部的に破壊され、ステンレス鋼表面との間に電位差が生じた等の可能性があげられ、最終的に孔食が生じたものと推測される。
(3)給食用のため、連日の使用後、食洗機で洗われていたとのことであるが、食洗機での洗浄の場合、全体的に洗うことは出来るものの、汚れやこびり付きが多い部分は特に強くこすり洗いする等といった、調節できる手洗いとは異り、こびり付きが部分的に残りやすいといえる。
(4)本件では、このような部分が時間経過とともに、申し出の孔食に進行したものと想定される。
(5)これらの孔食やさびから守るには、日常的な食洗機での洗浄とは別に、丁寧なこすり洗いと、水気を拭き取って保管すること、また定期的にクリームクレンザー等を付け、擦り洗いをすることで、このような孔食の発生は抑えることができる。

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